DISC REVIEW
アレクサンドル・スクリャービン
「夢」、交響曲第三番「神聖な詩」、「法悦の詩」

ALEXANDER SCRIABIN (1872-1915) / Reverie Op.24, Symphony No.3 "The Divine Poem" Op.24, "The Poem of Ecstasy"

ウラディーミル・アシュケナージ指揮、ベルリン放送交響楽団

DECCA




クロノス・クァルテットの活動は目が離せない。今回は映画のサウンド・トラックだ。もちろんクロノスがやるからには(選ばれるからには)、その映画は彼らの音楽性に匹敵する「レベル」であるはずだ。

まず監督。数学サイコ(笑)『π』で絶賛されたダーレン・アロノフスキー/Darren Aronofsky(ハーバード大学出身だせ!)。原作は『ブルックリン最終出口』のヒューバート・セルビーJrによる『夢へのレクイエム』(河出書房新社)。そして作曲が元POP WILL EAT ITSELFのクリント・マンセル/CLINT MANSELL。

なかなか興味深いメンツだ。多分に実験的であろうことは想像に難くない。また原作をパラパラとめくっていたら偏執的なまでに作家のヘンリー・ジェイムズに言及している登場人物を発見──つまり原作者はジェイムズを意識し、その小説技法(特殊な視点)に関心があるのだろう。
ひさしぶりに映画館で見たい映画だ。

肝心の音楽だが、このCDは鑑賞用に編集されていて(”夏”、”秋”、”冬”の3部に分かれている)、全体としての流れはしっかりしている。音響的にはテクノサウンドといえるだろうか。アコースティックではない。それにもかかわらず、どことなくノスタルジックな雰囲気が漂っている(特に"Ghosts")。
決して晦渋でもノイジーでもなく、なかなか良い曲が揃っている。何より「主要主題/Overture」がかっこいい!
難を言えば録音がクラシック系と違ってかなりデッドで、いくぶんフラットにきこえることか。

まあしばらくは、この印象的なメロディ(主要主題/Overture)がマタマの中から離れないだろう。

Web
http://www.requiemforadream.com/

INDEX /  TOP PAGE