ルイ・アンドリーセン <国家>
LOUIS ANDRISSEN (b. 1939)
DE STTAT
Reinbert de Leeuw, conductor
Schoenberg Ensenble
Recording 1990 / Elektra Nonesuch
プラトンの理想的な「国家」とは、確かに異なるが、現に存在する最も理想的な「国家」は、オランダ王国である。
そのオランダを代表する現代作曲家ルイ・アンドリーセンの「国家」を聴くことができた。最近は、ピーター・グリーナウェイとのコラボレーション『フェルメールの手紙』や『ROSA』でブレイクした感のあるアンドリーセンだが、この曲は1973-1976年に作曲されたものである。
音響はまさに当時のミニマルで、グラスやライヒが好きな人には(そうでない人にも)、たまらない「あの感覚」を楽しめる。
編成はかなり独特で(まあ、ミニマルですね)、オーボエ、ホルン、トランペット、トロンボーン、ビオラがそれぞれ4つずつ、エレキ・ギター、ピアノ、ハープが2つずつ、ベース・ギターが1つ、それに4人のソプラノが加わる。テキストはもちろんプラトンの「国家」でギリシア語。
終始動きのあるリズムに乗って(これもミニマル)、摩訶不思議なサウンドが響き渡る。
約35分間、これだけのマテリアルで
飽きさせずに聴かせる作曲技術は素晴らしいと思う。そして、これほどのマテリアルを的確に処理しているデ・レーウ&シェーンベルク・アンサンブル(1974年、オランダ・ハーグで結成)の演奏技術もまったく素晴らしい!
彼らの『月に憑かれたピエロ』も聴いたことがあるが、これはブーレーズ&アンサンブル・アンテルコンタンポランに勝るとも劣らない名演であると思う。