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# 570  【箱とセキュリティー】 2002/08/25 19:44 返信する
From:Hermit 
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>Billy さん
>> 文庫本は最悪かも (濡れると)
辞書はページが薄いから尚更じゃないですか?
で、文庫本ですけど、先日大きな鞄の底から取り出し忘れていた薄い文庫本が出てきて、何故か底に落ちて溶けていた随分昔のソフトキャンディが溶けて絡み付いて、悲惨な状態になっていました(笑)
こんなに本を粗末にしたのは初めてですね(笑)。ゴミ箱に本を捨てたのも初めて。
先日電車で隣の席の座った人が読んでいた本をチラッと見たら、本と大切に扱う人は無能だとか何とか書いてありましたが(…仮にそうだとしても、本の種類にもよる気がする…)、これはレベルの違う話ですね(笑)

>> 有名男優のように
…って誰のことです? 全般?(笑)

>> 街角に捨ててあるエロ本みたいに
これも例えが何か凄いですが(笑)、そういえば中学校の通学路なんか、よくその手の本がページをバラバラにして道にばら撒いてあったりしましたが(で、雨に濡れてふやけていたりする)、あれはどんな人がやってたんだろう?
当時はどこぞの浮浪者か?などと幼いこと(かつ偏見)を考えていましたが、今考えるとやっぱり性に飢えた中学生(とか高校生)だったんだろうか…

>> 単行本は10巻ぐらい出ていたんで
そうなんですか… これは気に入った所までで止めた方がいいのかな…
そうだとすると多分文庫は20冊、しめて8000円近くなりますよね…

>> 全く同じ意味の英単語が、具体的にどういったニュアンスの違いがあるのか
そういえば、ある国語辞典で、ある言葉を引いたら別の単語だけが載っていて、その別の単語を引いたら元の単語が出てくる、という不親切な目にあったことがありますが(どの辞書でどんな単語だったかは忘れました)、英英辞典では(辞書によっては)そういうことってないですか?

>> 最近の辞書でマイブームなのは、リーダーズ
これは持ってます。というか、専門書(論文)に出てくる単語が載っている辞書というので、学生時代買わざるを得なかったのですが。

>> ヨハネ=パウロという名前はやっぱり二人
ありがとうございました! (知ってどうするという話もある(笑))。
で、これは教皇・法王名でヨハネの名がつくのはヨハネ=パウロだけっていうことなんですか?

>>瞑想と禅
楽しみにしてますよ!

しっかし分厚い京極本を次々こなしていますね… よほど水に合ったんですね。
>> 登場人物の数人がゲイで
なるほど、そういうことですか…
>> 『鉄鼠の檻』での、彼(榎木津)のキャラはすばらしいですよ。
なるほどなるほど、やはりこの作品で特にキャラが立っているんですね。
>> 普通の人と科学という宗教にのめり込んでしまっている人間との対立
ははは… そう書きますか。まぁよくあるマッド・サイエンティストものの筋立て、なんですけれど(ブラック・ボックスとしての科学への恐れの表象ですね、結局中身のメカニズムを知らない限りは、それは魔法とかわりがない…)。それが更に他人の狂気を誘発する、という辺りがちょっと新展開でしょうか。
個人的にこの作品で印象的だったのが、謎としての何かのあいまいな存在と(ここでは"魍魎"と"箱"の中身、ですね)、それが明らかになったときの光景の無残でグロテスクなイメージの使い分けですね。
-----<< 少しネタバレ >>
真っ黒になった死体を箱に入れて持ち歩いているイメージも無残ですが(幻想と現実のギャップ…)、一番生々しくてグロテスクだったのが、自ら箱の中身になってしまった作家が姿をあらわすところですね。
-----<< 以上 >>
マッド・サイエンティストの存在が浮き彫りにされてくる、とか、その恐ろしさが際立つ、とかいった感じとはちょっと違う気がして、むしろこの、幻影・幻想が具体的な形をとるとどうなるのか、といった辺りがメインの関心事か、という気がしていました。(微笑ましくも不気味だったりもする箱の中身=魍魎というのは、つまるところ人間の幻想と狂気といったところなんでしょうか)

>> 生物と無生物の違いは呼吸をする
うーん、そうでもないですね。確か自己複製し、増殖し、かつ変異もする、あと細胞から構成される、とか、自律してエネルギー代謝できるというのも入っていたかなぁ… (←何で勉強した人間があいまいなんだ。確か条件は5つぐらい考えられていたのですが。遺伝子をもつというのも入っていたのかなぁ… これは「細胞」という条件に含まれますが)
なら、エネルギー代謝というのを呼吸ととれば、まぁそうだということになるんですが。(ウィルスは微妙な線上にあります、自分では細胞を持たず、また自力では生存活動ができないので)。
これについても、地球上に現在生息するもの(つまり "いわゆる「生物」")、に限っての話です。

因みに箱の中のものは、生物を元にしているので生物ですが、自力でのエネルギー代謝は出来てないですね。増殖も無理ですし、仮に妊娠出産してもうまれるのは普通の人間です。まぁ新種の生物とはいえないですね。
では不妊の人は生物とは言えないのか、という問題もでますが、まぁこれは種全体の問題ですから……、そう考えると、箱の中のものは結局人間であるのでしょう(生命維持装置につながれても、人間は人間なのと同じように)。

一方、生きている、という話は… 医学の方でもきっと決着はついていないんでしょうね。脳死は人の死か、能だけの人間は人か(生きているのか)、胎児、そして受精卵はどこまで人間か………

ところで、本は買えない、といいつつまた次もあるということは、どこぞから借りているんですかい?

>>>> 某チリ人女性
あぁ! はいはい、その話ならさすがに知っております。
>> 家を押収されたものだから、テレビに出まくって
あの類の厚顔な人はよくいるでしょうね(笑)、そうでないと生きてゆけないような面もあるのかもしれないです、向こうの国では。
まぁ個人の性格も大きいのでしょうが……

>> あんなのに騙される日本人も情けないと思う今日この頃。
まぁ彼女が脅し取っていた訳でもないですから、騙していたということでも…
結局当人が誘惑に弱かったというだけなんですよね?

>> 漢字がすべての構文を決定するんですよ
なんだかお話伺っていると、思い出しますよ「レバ即」(則だったかな?)だとか
いずくんぞ何とか…  いややっぱり覚えてませんでした(笑)
>> これこそ「知識」だったりします
そうですね。

さて、懸案の往復書簡関連ですが…
本当だ、見事に削除されてますね。しかも4回分も。
…覚えてませんよ、初回から4回分、何が書いてあったろう??
という訳で、まともな Res ではないですが…
( まともなのがよければ、圧縮ファイルにでもして送ってやってください )

>> 「印刷される言葉」と「明滅する言葉」
私自身は、うーん、どうだろう… といったところなんですが(単に鈍いだけか?)。
これが意味しているのは、つまり「プロのライター」「小説家」「(哲)学者」等の書いていることと、インターネットで展開されている "アマチュア" たちの書いていることでは、関心の持ち方も、それに対する価値・判断基準も、全く異なっている、ということですよね? (この時代の状況からずれている、というのもありますが)
一体いつから、そのズレは生じたのだろう?、いまの批評のあり方はその状況に全く即していないのでは?と。
個人的にはイギリスで'70s にパンクが出てきたときのような、至極当然なズレのような気がするのですが、いろいろ書いていたら時間を食ってしまったので細かくは書きません。一つには多くの人の手に「手段」が渡ったことによって、そのシーン全体が変わっていったということなんでしょうが。

>> 書き言葉は、電話やテレビを代表とする話し言葉に取って代わられた
うーん、これは話し言葉と… というより、つまり
>> 文学や思想
の書き手・語り手が、一部の選ばれた人だけのものだったか、一般の手に渡ったか、ということではないかと。
普通の人がおしゃべりとして身近な人に「思想といったもの」の話をしても、まぁせいぜいこの人はこういう人だという判断材料にされるか、飲み屋辺りで「また言ってるよあのオヤジ」(笑) てなもので、「文学や思想」ととってもらえるケースは少なかったでしょうが、
(手紙は例外的なケースでしょうね)
広く人にみてもらえるケースを得れば、また話は違ってきますから。
付け加えれば、活字メディアは同時性に欠ける一方で、構成が可能で(従って思考の脈絡を追いやすいのと、書き手・読み手ともに何度も内容を検討することが可能、より的確な表現を選ぶ余裕もある)、同じ物を多数の人に提供できる(故に共感可能な読み手の手に伝わりやすい)といった特徴がある気がします。
その手段が(マスメディアに近い形で)一般の手に渡ったということですね。

>> 文学や思想を表現する場の大きな舞台から小さな舞台への移行
そうですね。携帯で文学や思想がどの程度表現されているかはともかく(笑 だから携帯はまた別かなぁ…)、ある種のマスメディアのようなものを個人が持ったということですね。
まぁ携帯の言葉も、話し言葉よりは吟味・検討可能なものではあるんですけれど…対象がマスではないので手紙や電話と似た感じかなぁ…。

>> 現在しか念頭に置かれていない
これは、いわゆる「大きな舞台」つまり従来のマスメディアしか念頭においていないという意味ですよね。鋭い指摘だと思います。
もっとも、
>> 失語症
例の大事件以降の…ということに関して言えば、前に書いた気がしますが、そもそも以前のメディアの言説は有効だったのか? 社会的幻想の故に受容されていただけだったのでは?という気もしているのですが。
>> 同じような情報を元に自分の考え方を形成させていく訳だから、
>> 現代の「文学者」だったり「思想家」は、同じような意見を持たざるを得ない
というよりも、
前の言説が意味をなしたというのは、こうすべきだ! という意見のあり方が、当時の社会のあり方と時代の流れから簡単に決められたので、その方向で何かを考え、表明すればよかった、ということのような気がします。
そこからいくと、今は社会の向かうべき方向など大勢が見失っているので、そこに沿った言説なんて表明しようがない、それだけのことではないかと。でも今更そこに個人の意見や見解を表明したところで今までのやり方とはギャップがありすぎる、それをもってして失語症、と。
そんなところにインターネットでは正に個人が個人としての思想を表明している訳ですよね。

とかなんとか、この場で吟味もせずに考えた浅薄な意見ですが、その辺はご容赦を(勿論指摘はご容赦なくどうぞ)

>> 基本的にアフガニスタンを攻撃するのは賛成
ふぅむ。これはご意見賜りたい所です。とりあえずHPの完成を楽しみに。

>> 爆弾が破裂した際に人間の戦意を喪失させる悪臭を放つというもの
一瞬思考停止でしたが(笑)、まぁ催涙弾もありますから… そんなものもあるかもしれません。匂い自体は慣れることも可能なものですけれどね…

>> 人の死なない戦争
ちょっと話が飛んでいる気もしますが(笑 下の話題にかけての話なんでしょうけどね)、SF的で面白い話題…
でも、今は想像力が働かないので、また後日にでも。

>> セキュリティの戦争
これに関してのBilly さんの論旨は分かります(セキュリティの戦争とはちょっと違う気もしますが)。
人の命を奪う、ということだったら目に見えるので非難も反発もある、当然「悪」と見なされる。ところが、そうでないのなら… ということですよね。例えば経済的な、たとえば技術的な…
ただ、ここで言っているセキュリティの戦争というのは、つまり「人の安全を確保する為の」戦争、今の対テロ戦争みたいなもののことですよね。結果、人は当然死ぬ。でも、その相手は他の人の安全を脅かした存在なので社会としては死んでもらうしかない。という。
だから、つまるところ、社会の安全を脅かしたと "見なされ" れば、何の配慮もなされずに攻撃され、脅かされ、殺されうる、ということではないかと。そのために払われた犠牲は、すべて公共の福祉の為と見なされる、と。
政治はバランスなので、極論でものを言ってもしょうがないのですが、上記のことは煎じ詰めればジョージ・オーウェルの「1984」ですよね。相手が「他の国」であっても、何ら事情は変わらない気がします。アメリカが独走している現状ではなおのこと。
また、保身と言う言葉がありますが、人間は攻撃をしていると思ったら、余裕を見せることもありますし、それほど徹底を図らなくても満足したりしますが、自分が攻撃されていて、身を守るのだと思ったらそれではすまない。
自分が攻撃されていると思った人間(普通の人でも)は、相手をメッタ切りにして殺したりしますが、とにかく相手が消え去ってくれないと気がすまない。消えてもなお影を探してそれを消そうとしたりする…
そういう心情的な怖さもある。(今のアメリカにも被害者意識を感じますね、加害者でもあるという意識はまるでない)
そういうことが言われているのではと思いました。
もっとも、私たちは死刑執行をする国に住んでいるし、仮にそれを止める場合、では犯罪を犯すように生まれついたものがあったらどうすべきなのか、その有効な方法論を持ち合わせていないという状況ですが。

>> 現在の有事法制整備
これについては簡単には物申せませんが、現状がうやむやだと言うのはそうだと思います。
むしろうやむやでもいいと言う意見もありますが、よく分からない。
でも、何とかしたい人がなすべきことは、やはりどんな時どうしたらどういう結果になるのか、それを明らかにして、意見の収集を図ることでしょうね。こうしたらこういう結果(プロセス含む)になると思われますがいいですかと。そこまで突っ込んだ話は聞いたことがないですから……

Male   ゲイ       シモーヌ・ヴェイユ
 

# 569  【新風…】 2002/08/25 19:43 返信する
From:Hermit 
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竜彦さん、derek さん、初めまして。
横からちょっかいを出すことがあるかとは思いますが(↓早速やってますが)、うざいなぁと思ったら放っておいていただければそれ以上は何もしないと思います(笑)
自分の関心とリンクしない話題であっても、横目で眺めているのは楽しいので、一参加者としてもお話を楽しみにしていますよ。


>竜彦さん
ルイス・ガネットという作家は全く知りませんでした。
>> 典型的なGay小説
というと…… なんでしょう?(笑)
一組のカップルを巡るあれやこれやか、少年の一夏の体験モノか、「私の体を通り過ぎていった男たち」か、マイノリティーの苦悩モノか、ポルノティックなものか…… 余り良く分かっていませんです。宜しければご紹介ください。

>> ejaculation
この手の話は HODGE さんが好きそうな気がしますね(笑)
そういえば f の方は日本語になっていて、e の方は日本人にはさほど馴染みじゃないですね。これは、日本語に射精という言葉があって、f の方には適当な言葉が無かったからなのかもしれないですが、英語の場合の事情はどうだったんでしょうね? 日本語では、もともと同義語がある場合でも、別のニュアンスを表すのに便利だったり語感が良かったりすると外国語が取り入れられている感じですが…… (fellatio )
詳しくないのですが、そういえばある種の小説にはラテン語趣味みたいなものを感じたことがある気がしますが(記憶はあやふやです)、明治の文豪辺りに共通する話だったのか、今ひとつ記憶が定かではありません……


>derek さん
Billy さんのお知りあいなんですね。

>> 薄学を露呈
いつも薄学を露呈しているものとしては冷や汗が出ますが、そんな者でも自由に参加させて頂いていますので問題ないと思いますよ(笑)  (これじゃ何の保証にもなっていませんが(笑))
>> 自意識過剰
これも、これを言ったら私のほうがよっぽど… (笑)、という感じです。
>> ここってそんなに「恐々」なの?(from HODGE さん)
同感同感。

>> MY FAVORATES
>> Books
「香水」や「シャム双生児」は私も好きです。でもって、他の本のほとんど(「罪と罰」は確か読んだ)は読んだことがありません…… 「荒野のおおかみ」以外は、タイトル程度なら知っているのですが… カミュあたりはきっと常識の範疇なんでしょうけどね…
中田耕治さんってあの翻訳もなさっている方でしょうか?
一度に紹介すると大変なことになりそうですが(笑)、少しずつでも内容というか面白さをご紹介いただければ…

その他については、フォーレは好きです。クラシックがお好きならHODGE さんと共通の話題が多そうですね(って既に対話成立していますが)。
絵画は… 好きといえるかどうかまでは良く分からないものが多いです。
ルソーというと紛らわしい名前の画家とか有名人が多いので関係ないかもしれませんが(他の名前からするとバルビゾン派辺りのルソーでしょうか)、
最近ミロ展(それ自体はそこそこの印象でした)を見に行った折、そこからまた別の展示室で「アンリ・ルソーと素朴派の仲間たち」という小展示をやっていて、それをふと目にしたとき、おや、ルソーって夜気の澄み通るような描写がこんなに上手い画家だったっけ、と結構胸を突かれました。
素朴派の絵については、そのファンタスティックな感じが楽しいのと同時に、現代の挿絵・装填画家に同じような絵を書く人が結構いるなと思うと、案外その影響が大きかったのかと感慨を持ったり…… どちらが先だったのか分かりませんが、ある時期のピカソと似た絵を描いてあったり…

>> モロ−、大好きです
おや、大好きなので仲間ですね!

映画は詳しくないのですが
>>「ピアノ・レッスン」
これがカンピオン監督の映画のことであれば、奇遇なことに最近ビデオを借りて見たばかりです。
先ず思ったのが、ナイマンってこんな憂いを帯びた曲も作れたんだ、という辺り。まぁ作曲家ならこのくらいはお手の物なのでしょうが、人から聞かせてもらった「数に溺れて」だったかな?の狂騒的かつ薄っぺらいような音の印象が強烈だったので……
これは自我の強さを自認する人には強烈な印象を与える映画かもしれないですね ( いえ、これはderek さんが自意識過剰と書いたからではなくて、ただの一般論です、念のため )。
私個人は、ストーリー自体はよくある話かな、などと浅薄な感想を持ちながら見ていたのですが(自意識の殻とそこから自分を救い出してくれる何か <あるいは助け出してほしいという心情>、を描いたものは少女漫画などにも多そうですよね)、
口が利けない、周囲に助ける人がいないなど、自意識の殻を更に厚くせざるを得ないような設定は上手いなぁと思いました。どこかくすんだ映像も美しい。どこか傲慢とも取れなくない頑なさを、最後に、いや彼女自身がその自意識に捕われてもがいているのだ、としてみせるのも上手いです。他、幾つか感じたこと、考えたことはありますが、まぁ凡庸な意見と思いますので…

ところで、この映画で気になったシーンといえば、主人公の女性が夫の体を手だけで愛撫するシーン(女性監督の作品だからか、男性が裸になるシーンが結構ありますね(笑))。
女性が夫の尻を愛撫していって、夫が途中ストップをかけるのですが、なんだろう? これは例えば夫の側のマチズモに縛られた様を象徴しているということだろうか? などと疑問をもちましたが、やはり何か託した意味があったんでしょうか? あるいはお互いを物として扱っているような関係を象徴しているとか? (あるいは単に、「支配は許しても心までは譲らない」というだけの意味なのか)
意味もなく挿入するだけのシーンとしては、ちょっと奇異な感じでしたので、何だか引っかかりました。(といって自分の解釈にも釈然としなかったので…)。これは奇異さそのものを楽しむような作品ではないでしょうから、おそらく……

>> 「グロリア〜」は、特に何回もリピ−トしてます。
>> マドリ−ドのある変な家族の話なんだけど、何か笑えるんです。
>> 特におばあちゃんとヤクの売人の孫(中学生くらい)のやりとり
>> が最高におかしい。
>> あと、「キカ」の毒々しさも大好きです
面白そうですね。私は映画自体余り見ない人だったので、アルモバドルも当然のように詳しくないんですが、聞いた限りでは、なんだか全てをさらけ出した人間の生と生のぶつかり合い(喜劇含む)のようで興味自体は凄く持っていたんですよ。
参考にします。

ところで、HODGE さんと同じく、カリシャスがお気に入りだったんですね?
Joey Stefano についても HODGE さんと盛り上がりそうですね。

Male   ゲイ       ジャンポール・ゴルチエ
 

# 568  【悪訳】 2002/08/25 19:42 返信する
From:Hermit 
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今晩は。
わぁ、活気がありますね!

私自身はと言えば、読書はほとんど進んでいません。ので、この項はまたしても短いです。
ヘンリー・ジェイムズの短編集を終えたのみ。
ほか、ユイスマンス「さかしま」、スパーク「マンデルバウム・ゲイト」を併読中なのですが、これはどちらも今のところ面白いです。

ジェイムズの短編集については、複雑な読後感が残りました。
ある人の内面や、それが結果としてもたらすものを少しずつ明かしていく、というような感じですね。主人公と別に語り手がいたりするのですが、その語り手がミスディレクションの役割を果たしていたりするような印象もあります。
社交界のようなところが舞台で、女性が主人公であったり、女性の話がかなりの量を占めていたりする辺り興味深かったです。

それにしてもこの短編集、訳が余りにもひどいのでは?
文章が小説モードでないような気がするんですよ。読んでいて内容がどうしても頭に入らず、いつの間にか斜め読みしてしまう… で、文章を検討してみると、結構ひどい文章があったりして…
これは研究者が余技で訳しただけじゃないかなどと思いながら、読んでいました。
もしかするとジェイムズ自身の文章がこういう分である可能性もありますが(もって回った言い回しも多かったですが、これはジェイムズの特徴かも)、それにしても「ねじの回転」や「ともだちのともだち」はこんなに酷くなかったよなぁ…
原文を読めない人間がとやかく言ってもしょうがないので、HODGE さん、読まれましたらご報告いただければ… これはジェイムズはもともとこうですよ、残念でした、とか(笑)

映画の話等については別にまた触れます。

Male   ゲイ       デレク・ジャーマン
 

# 567  【無題】 2002/08/25 12:10 返信する
From:derek 
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>billyさん
お久しぶりッス。最近すごく忙しそうだね。
体調気をつけてな!
そうだね、よくいろんなトコでお会いしますね。
でもほら、オレの場合、最初はエイチさんとこからだから・・・それでだよ。最近他のサイトにもご無沙汰してますけどね。
こちらにも、足跡残しましたので、これからまたちょくちょくお会いするでしょう。
こちらこそ、よろしく!

>HODGEさん
おはようございます。
丁重なレス頂き恐縮です。
ウィンスロップ・コレクション・・・見たい!!
オレ、どっちかって言うと、ラファエル前派でも、ミレイとかハントが好きですが、バ−ン=ジョ−ンズの独特の気持ち悪さも好きです。
あと、モロ−、大好きです。パリに二度目に行ったときは、オルセ−よりル−ブルより、まず真っ先にモロ−美術館に行きました。
東京に住んでなくて残念です。

MATT SPENCERは正統派のハンサム・ガイですよね。
頭も結構いいみたいですよ。B.S.の学位を持ってるって、どっかのHPで見ました。で、BSって何?衛星放送?

Almodovarの初期の作品では、「グロリアの憂鬱」「セクシリア」「神経衰弱ぎりぎりの女たち」が好きです。
「グロリア〜」は、特に何回もリピ−トしてます。マドリ−ドのある変な家族の話なんだけど、何か笑えるんです。特におばあちゃんとヤクの売人の孫(中学生くらい)のやりとりが最高におかしい。
あと、「キカ」の毒々しさも大好きです。
「ライブ・フレッシュ」は異色のサスペンスでしたね。結構面白かったです。

クラシックのCDは、今年買った、コルシア/ルイサダ共演の、「私達の思い出」というのに嵌ってます。
フランク、フォ−レのヴァイオリンソナタ、ドビュッシ−の「美しい夕暮れ」など、フランスの作曲家の曲目を集めたものです。
あと、ジョシュア・ベルが、メンデルスゾ−ンを再録したようなんですが、もうお聴きになりました?
彼はもう30半ばですよね。全然年取らないです。相変わらず美青年ですね。若さの秘訣はGAYだからでしょうか?




Male   ゲイ       イケル・カシリャス
 

# 566  【ウィンスロップ・コレクション】 2002/08/25 10:19 返信する
From:HODGE 
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derekさん、はじめまして。書き込みありがとうございます。
え、ここってそんなに「恐々」なの? 気軽に書いてくださいね。

共通の話題といえばまず、MATT SPENCER。僕も彼、好きなんですよ。一見クールなハンサム・ガイだけどプレイになるとversatileで、すごくセックスが好き!って感じでなかなか淫らですよね。ちょっとニヤケた顔もいいですね。

アルモドヴァルの初期作品というと『アタメ』とか『欲望の法則』あたりですかね。『アタメ』はヘンな映画で好きですね。そうですね、僕がアドモドヴァルでとくに気に入っているのは『ライブ・フレッシュ』ですね。
最初ルース・レンデルが原作なので、ちょっと合わないんじゃないかと思いましたが、なかなか楽しめました。アドモドヴァルならでは男優のチョイスやサービス・シーンもグッドでしたし。

レンデルもイギリス映画はダメとか言ってますけど、この映画を含めた外国の映画は素晴らしいと言ってますね。

http://www.telegraph.co.uk/arts/main.jhtml?xml=%2Farts%2F2002%2F06%2F20%2Fbaruth16.xml

フォーレは良いですね。もちろん『レクイエム』は好きですけど僕が特に好きなのは室内楽です。ピアノ五重奏曲1番やチェロ・ソナタ1番あたりは最高に気に入ってます。

お、サージェントも好きなんですね。あのシックな絵は良いですね。
ラファエル前派といえば、国立西洋美術館で「ウィンスロップ・コレクション」が開催されますよね。
ロセッティやバーン=ジョーンズ(『海底』や『天地創造の日々』)も来ますし、あとなんといってもギュスターヴ・モローの『出現』ですね。今から楽しみにしています。

http://www.tokyo-np.co.jp/evt/win/top.html


Male   ゲイ       ルキノ・ヴィスコンティ
 

# 565  【レイアウト失敗かも???】 2002/08/25 02:30 返信する
From:billy URL:http://ronan_jp.tripod.com/index.htm
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>derekさん、こちらでは初めまして。
って何か僕たち回っている掲示板結構かぶっていませんか?
こちらでもよろしく!
「メディチ家の滅亡」については、言いたいことがあるので
僕の考えがまとまったら書き込みます。

>>それは大変でしたね>辞書

本日amazonから、届きましたよ。
これで安心!

>>でも、辞書ってちょっとふやけたぐらいの方が引きやすくないですか? 
>>僕も昨日の台風で鞄に入れていた文庫本がヤラれました。

そうそう。(笑)
僕高校の時、僕は普通科という学科ではなかったので、毎日英語が2時間ずつ
あったんですね。で、その授業にいつも辞書必要で、毎日持って登下校してい
たんですが、その時にも雨にやられました。そのころは「ジーニアス」でした
けど、その時はそのまま使っていましたよ。でも、使いこなしていると使いや
すくなりますけど、雨に濡らしたら、街角に捨ててあるエロ本みたいにふくれ
て、その上ページがくっついてひきづらくなりません?

あ、それと、文庫本は最悪かも。
だって、文庫本なら結構コレクトするって言う意味もあるじゃないですか。
だから、できるだけ大切に読みたいし、雨に濡れたら僕なら買い直してしまい
ます。
HODGEさんはそう言うところ気にしないタイプ?

>>僕はこのシリーズはやっぱり「なんとかの○○」の部分
『狂骨の夢』の「夢」

なるほど、なるほど。それもありますね。
そう言えば、今「ジョロウグモの理」を読書中です。
次回投稿までには読了させます。
これを読んで思ったんですが、今回は素直に楽しめそう。

>>だったら『More of a Man』が良いですね。こんなに感動したpornはない感じ
です。

へー、僕はそう言うところ確認していないですねー。
確かにストーリー楽しいという奴もあるみたいですが、
僕はあまり。。。
要は絡んでいるシーン以外は全部倍速で見るんでストーリーで感動したことはな
いです。
正直なところ。でも、more of a manすこし見てみようかな。
HODGEさんのおすすめだから、今のところはずれないですし。

>>>>それに、毎日していたら有名男優のように出が悪いだろうし、、、
>>え、毎日じゃないの?(笑)

えっ!毎日なの?(笑)
何か毎日だと飽きてきません?

>>なんか「はてなアンテナ」という良く見に行くサイトを登録しておくと、更新
情報を知らせてくれるサービスがあるんですが、ちょっとHODGEアンテナでも作ろ
うかなと思っています

そう言えば、僕のサイトがある米国tripodはバーナーのしたにあるWhen this
page updated・・・っていう部分をクリックして登録しておくと、更新情報を知らせ
てくれるみたいですよ。僕の所のようにWhat's Newが別ページとしてある場合は、
そのページを登録しておけば、便利ですよね。

そう言えば、HODGEさんって、Online Bookmarkありましたよね。あれ便利ですか?
僕なんて良くパソコンをリカバリするんですが、そのたびにfavoriteをCDRに保存して、
IEに戻すという作業していてすごく面倒なんですよ。最近はもっぱらMSN Exploreユー
ザーですが、favoriteがMSNのサーバーに保存できるというのが利点ですかね。外出先
でもログイン出来れば、どのパソコンでもお気に入りがすぐにみれますから。
で、自分のサイトにOnLine Bookmark作っておけば便利ですよね。
HODGEさんのように、その専門のサイトみたいな所にサインアップするのもいいですし。
結構便利ですか?

>>ところでローマの治世は長いけれども、この本は一体いつまでを扱うんでしょうね。

結構長そうな感じしますよね。何か文庫本ではローマ時代に鋳造されたコインはすべて
紹介出来るとか宣っていましたし。。。で、単行本は10巻ぐらい出ていたんで、やっぱり
滅びるまで扱うんじゃないですかね?(←なんか投げやり)

>>傷んだものも捨てるに捨てられないのでは… 

スパッと捨ててしまいましたよ。だって邪魔だもん。(笑)
今は、注文した辞書が届くのを待つばかり。

>>全部で2万というのが不思議ですが、中には薄めの資料もあるのでしょうか。

全部英英辞典ですよ。ちょうどその前日、全く同じ意味の英単語が、具体的にどういった
ニュアンスの違いがあるのかを調べていたんですよ。
で、片づけずにそのままにしていたら、雨にやられたというのが実情で、
すべて英英辞典だったんで、2万ですみました。僕は英英辞典コレクターでもある訳なん
ですが、例えばoxfordでも、Z会が中継に入っているものは本国版より高いので買いません。
コウビルドも絶対本国版。
まぁ、そんな感じ何で、1冊3000円ぐらいですよ。
後、OxfordのA Practical English Grammerが雨に濡れたのは痛かったですね。
この本はオーストラリアで住んでいる時に、教官に勧められて購入した本なのですが、
英文法はこれだけしか勉強していないんで、無いと不安です。
この本はすばらしいので、日本語訳も発売されていて、「実例英文法」みたいな名前だったと
思います。こちらも購入してあるんですが、これは無事でした。
この日本語訳はぼったくりのごとく高かったので、ほっとしています。
これまでやられると、もう泣きじゃくりそう。(笑)

>>これは語学力だなぁ……

ちゃうちゃう。
普段は英和辞典ですよ。電子辞書タイプの英和辞典を使っているんで、あまり必要ないという
意味です。
だって、英英辞典で引くより、和英辞典で引いた方が楽だもん。(笑)
最近の辞書でマイブームなのは、リーダーズですかね。
何かむちゃくちゃ単語量があって、おすすめです。(笑)
↑辞書マニアです。ただ、そんなには使わない。収集しているだけ。

>>瞑想と禅

これは後日。
永平寺に行って修行してきたから、もうばっちりよ!(←って何が?)

あ、そうそう。僕ちょうど自分の研究している時に、Hermitさん向きの
情報があったので、ココで紹介。
先日、ローマ教皇の名前云々という話があったじゃないですか。
で、それを調べておきました。
ヨハネ=パウロという名前はやっぱり二人しかいないですね。
1978年のJohannes PaulusTと1978-年のJohannes PaulusUですね。
ちなみにパウロという名称は結構多いです。
古くは757-767年のSt. PaulusTにはじまり、1464-1471年のPaulusU
1534-1549年のPaulusV、1555-1559年のPaulusW、1605-1621年のPaulusX
1963-1978年のPaulusYまでいます。

ココでの調査はローマ・カトリックの最高位のPope(教皇・法王)のみです。
だから、「理念上は古代ローマ皇帝の継承者」と言う意味のEmperorは対象
外です。本当は西ローマ皇帝を継承する神聖ローマ皇帝と東ローマ皇帝を継
承するロシア皇帝とか調べれば出てくるかも知れませんが。。。

>>>>『鉄鼠の檻』・ 僧の同性愛(男色)だったり
>>え、そういうことに言及があるんですか?

話に絡んできますけど、言及はしていませんよ。
だから、なぜ寺院で男色が認められたのかとかそう言ういきさつは
書かれていないです。ただ、登場人物の数人がゲイで、それがストーリーに
すこしばかり絡んでくるということですね。

そうそう、『魍魎のハコ』読了しました。
これはおもしろかったですねー。
まず榎木津に関して。
Hermitさんが存在感がないと言っていましたが、彼の物語の役割ってあれ程度
なんですよ。だから、僕的には全く存在感云々というより、すこしばかり榎木
津の特殊体質の表現が多かったかなと思っています。
彼は、探偵なのに推理するどころか、邪魔をする役割らしく、そこがおもしろ
かったりします。で、『鉄鼠の檻』での、彼のキャラはすばらしいですよ。
僕もまだ全巻読んでいないので、読んだ範囲ですが、鳥口のおとぼけキャラと
榎木津のキャラが見事に調和して、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
そこに久遠寺さんが絡んでくるから、おもしろいです。
是非一読してみてください。ただ、ウブメも読んでおかないと久遠寺さんに関
してはわからないことがあると思うんで、まずはウブメからどうぞ。

で「ハコ」の話ですが、これって最終的には文系人間と理系人間の対立として
僕には思えました。今で自然にできたことを奪われても、生きていると言える
のか。そう考えていると高校時代の「生物」の授業を思い出したんですね。
生物と無生物の違いは呼吸をすると教わったんですが、そう考えれば、ハコの
中で生きている人間らしきものも生物と呼べますよね。厳密に言ってその状態
は生きていたとしても、なんだか腑に落ちない。
文系人間の僕にはとうてい理解出来ないですね。
というより、普通の人と科学という宗教にのめり込んでしまっている人間との
対立として捉える方が正確なのかも知れませんが。

>>>> 某チリ人女性
>>って誰ですか(笑) タレントの某さん??

なんか、日本人と結婚して、その日本人が住宅公社の職員で
その公社の金を横領して、そのお馬鹿チリ人妻に送金していた
そのチリ人女性ですよ。家を押収されたものだから、テレビに出まくって
日本人は時間が短いとか、小さいとか、チリ人売春婦を奴隷のように酷使している
とか宣っているんだとか。
まぁ、あの女性も女性だけど、あんなのに騙される日本人も
情けないと思う今日この頃。
>>古文漢文ははっきり言って身についてません

僕も高校時代の時に苦労した科目なんですが、進学してからは、
一応史学なので、最初に古文書学みたいな科目があって、泣きながら
勉強したんですよ。まぁ、未だに崩し字は解読出来ませんが、
漢文はパターンですからね。もう、漢字がすべての構文を決定するんですよ。
だから、白文でも漢字知っていれば、適当にレ点つけられます。
不要といえば、かなり役立たない知識ですが、
これこそ「知識」だったりします。(笑)

>>貧乏人には身の丈にあった生活が

同感。だから僕もそんなに高い本は持っていませんよ。
ただ、全100巻だったら、単品では数千円のものでも総額になると
結構な金額になるじゃないですか。
ほら、最近はやっている毎週発売される百科全集みたいなのも、
数シリーズ2年もかけて買ったんですが、「ちりも積もれば」で、
結構な金額になってありますよ。

>>いま文学や思想の言葉の有効性

前回自分が言いたかったことをもう一度繰り返しておきます。
僕は21世紀、文学であったり思想がもう一度復活するのではないかと思っているタイプです。
というのも、人間の歴史の中で、活字印刷の発見はかなり重要な意味を持つ訳ですが、
この活字の影響力は電話の出現で意味をなさなくなる。
つまり、書き言葉は、電話やテレビを代表とする話し言葉に取って代わられた訳です。
東さんが指摘する70年代というのは、日本経済が安定期に入ってますますテレビの普及率が
上がった年代だと思います。もちろん僕が生まれた時にももう既にテレビが自宅にあって、(
リモコンではなかった)活字メディアよりも接する機会が多かった。要は、70年代には、文学や
思想といったものはさほど影響力を持っていなかったと思う。
その方向性が決定的になったのは携帯電話が普及した時です。だけど、この携帯電話の普及は
もう一つの新しい風潮もまたそこに含んでいると思う。
今までの文学や思想の表現の場は大きな舞台だったんですね。一種公共の場だと言っていい。
それが携帯電話に象徴される個人化・個別化は小さな舞台だ。

そう考えれば、

>>コンビニとケータイとネット

というのも納得がいく。コンビニもパソコンも非常に個人的な感じがします。加えて、
90年代後半は、携帯電話の普及と携帯メールの普及で特徴づけられるんだと思いますが、
この事例は、歴史的に見ると、書き言葉=活字の復権を表していると同時に、文学や思想を表現
する場の大きな舞台から小さな舞台への移行、この転換を表しているように僕には感じてしまう
んですね。

「文学や思想の言葉の有効性」というには、この裏には「未来の文学や思想の形」を念頭に置い
て書いているものと思われるんですが、その表現の場は現在しか念頭に置かれていない。
つまり、現在と同じ(いいや、過去の)舞台に登ってくる「未来の文学や思想」を想定してその有
効性に疑問を持っている。だけど、文学や思想が変化するように、21世紀初頭、その場すら変化
してしまったんだと考えている僕には、その有効性すら疑うのではなく、もっと大きな発展があ
るのではないかと僕は思う。

>>インターネット的なるものの台頭による物語性の凋落

そして、文学とか思想の発信−受信という行為が開放されたのも、このインターネットの影響が
大きかったんですよね。

まず「テロ撲滅行為」について僕の立場を表明しておくと、基本的にアフガニスタンを攻撃する
のは賛成。
(後日アフガニスタンについての歴史と宗教を詳しくホームページで載せる予定なので、その理
由については、完成したらそちらを見てください。今カルザイさんのスピーチを日本語訳してい
る最中←パーフェクトな日本語訳をするわよ!)

>>戦争から意味そのものを奪ってしまう

ということで、かなり昔アメリカの新聞の記事を思い出しました。その内容は、かなり驚くべきで
殺傷能力のない爆弾をアメリカ国防省が開発しているというものです。具体的には、爆弾が破裂し
た際に人間の戦意を喪失させる悪臭を放つというもの。にわかには信用出来なかったんですが、実
際にCNNでも同様のニュースを見ましたし、国防省の研究所で開発しているということから、かなり
信憑性があるニュースなのではないかと思います。で思ったことは、すごく冷淡だと思われるので
すが、その爆弾使って行う行為は戦争じゃないのではないか?ということです。
つまり、人間は戦争が残虐で悲惨なものだから、必死に回避しようとする。戦争を行わないように、
国々は色々な会合で妥協点を見つけ出そうと努力する訳じゃないですか。僕たちが住んでいる政治
システムは究極的に言ってこの戦争というもので抑制・管理しているといえ無くもない。だけど、
この爆弾はそのシステムが根底から崩れてしまう。人の死なない戦争はただの混乱でしかない。だ
からこそ、本末転倒なんじゃないかと思った訳です。

>>国民国家の戦争からセキュリティの戦争

というだけでなく、意味合い自体も変っていく方向にあると僕には感じてしまう。
だから、
「近代の国民国家の戦争は、人間の戦争であり、世界への配慮を必要とする戦争でした。しかし、ポスト
モダンのセキュリティの戦争は、動物の戦争であり、世界への配慮を必要としない、むしろ世界への配
慮を奪うための戦争になるのかもしれない。」
と僕も感じるんですよね。

>>現在の有事法制整備

これは全く同感。自衛隊が合法かということや、僕が軍隊持つことに賛成だということ以前に、もっと
大切な事があると思うんです。つまり、今のままだと、有事の時になだれ式に戦争に突入していく可能
性もある訳で、そう言った事を放置していく方が、より問題だと僕には思ってしまう。日本って歴史的
に見てもうやむやな形で関わってしまうということが多かったじゃないですか。有事になった時にどう
いうアクションを取るのかということは重要だと思うんですね。
ワイドショー的な政治では、結局のところ、国家主義みたいな形になってしまうんじゃないかと思いま
すし。まぁ、このあたりはあまり関係なさそうなので、機会があれば書きます。





Male   ゲイ       イアン・ソープ
 

# 564  【Mr Mishima】 2002/08/24 21:05 返信する
From:竜彦 
--------------------------------------------------------------------------------

三島由紀夫の英訳版のMasqueを反訳していたら、
英文でejaculationとなっているところ、
三島の原文ではejaculatioとラテン語スペルで
書かれていました。
fellatioは、英語の世界でもラテン語綴りの方が、
英語綴りのfellationよりも一般的ですが、
ejaculatioは、英語綴りのejaculationの方が
一般的なのだなと思った次第です。
お遊びでこういうことをやっていると、
いろいろと面白いことに気付くものです。



         
 

# 563  【お邪魔します。】 2002/08/24 12:25 返信する
From:derek 
--------------------------------------------------------------------------------

はじめまして。
ずっと以前にこのサイトを知り、あこがれつつも、薄学を露呈するのが怖くて、今までなかなか書き込めずにいました。
今更ですが、ホントに素敵なHPですね。
話のネタに、ボクのお気に入りを各ジャンルごとにご紹介しますね。

MY FAVORATES:

BOOKS・・・・・「異邦人」「ペスト」/カミュ
       「荒野のおおかみ」/ヘッセ
       「罪と罰」/ドストエフスキ−
       「香水」/ジュ−スキント
       「狂王ル−トヴィヒ」/ジャン・デ・カ−        ル
       「メディチ家の滅亡」/中田耕治
       「シャム双生児の秘密」/クイ−ン
       「薔薇荘にて」/メイスン

MUSIC(CLASSICAL)・・フォ−レ/レクイエム
          フランク/ヴァイオリンソナタイ長          調
          シュ−ベルト/即興曲

ART(PAINTINGS)・・・サ−ジェント、カイユボット、
          ルソ−、ラファエル前派の画家達

PORN ACTOR・・・・・MATT SPENCER,JOEY STEFANO

FILMS・・・・・・・・「ピアノ・レッスン」「シクロ」
          「ディ−バ」「ピアニスト」
          「ヘドウィグ&アングリ−イン            チ」他P・ARMODOVARの初期の作           品なんか大好きです。

如何でしょう?共通の話題ありそうでしたらまたお話しましょう!では!(自意識過剰な書き込み申し訳ありませんでした。)

Male   ゲイ       イケル・カシリャス
 

# 562  【哲学対談】 2002/08/24 01:18 返信する
From:HODGE 
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『ローマ人の物語』、みんな読んでますね。僕も読まないと取り残されそうだなあ。ローマ皇帝と言えばこれにはカリギュラも出てくるんですかね。以前ほとんどB級ポルノみたいなカリギュラの映画見たことがあるんですが、男も女も犯しちゃうんですよね、カリギュラって。

Hermitさん
ADSLダメだったんですか。いっそのこと光にしちゃえば。

ローマといえばハドリアヌス帝でしょう。ユルスナールの『ハドリアヌス帝の回想』にとっても美少年のアンティノウスの彫刻も載っているし、最近見たゲイ・ビデオもローマが舞台(というかグラディエイターのパクリ)で月桂樹を頭に被ったマッチョたちがXXXしてました。

>>レディ・ジョーカー
シモーヌ・ヴェイユが出てくるなんてますます読みたくなりますね。引用してくれた文章もズシリと手応えがある感じですし。
ただ、高村薫ってどうして同性愛をもっとはっきりとリアルに描かないんでしょうね。殺人者の心理をあれほどリアルに書いているし『神の火』とかでもUNIXのプロンプトの点滅までも書いているのに、なぜか恋愛になると友情が発展したような、トーマス・マンとかヘルマン・ヘッセを読んでいるような、なんか歯がゆい感じがします。

会田のヴァイオリンといえば、彼はヴュータンやヴィニアフキーは弾かないんですよね。以前クラシック音楽関係で話題になりました。でもヴュータンの『ロマンス』なんていいけどな。『照柿』なんかのBGMにも合いそうだし。

>>バットマン
バットマンとロビンってまさにそうでしょう。映画でもロビン役はゲイに人気のクリス・オドネルだったし。

>>>> ゲイのピアノサークル
ピアノ以外にも弦楽器とかもあったような。
まあ「ギャラリー」の前で「プレイ」するのも「興奮」しますよ(笑)

>>哲学対談
ってマグリットのことですよね。
>>ついでながら、HODGE さんは参加しないのでしょうか

といってもねー。僕の意見はシンプルなので。例えばあの「これはパイプではない」はパイプの絵と「パイプではない」という「文字」がたまたま並んでいるだけじゃない……つまりデペイズマン。
ロートレアモン風に言えば「解剖台」という「キャンバス」に「ミシン」という「パイプの絵」と蝙蝠傘という「テクスト」があるような。で、その取り合わせの「不味さ/上手さ」に観衆がざわめくのを、(ジョン・ケージ的に)聞いて楽しむ感じ。つまりあの絵は「絵画を超えた絵画」で、雑音や論争を「聞く」絵画だと思います。だれも騒がなかったらマグリットは口惜しがると思いますよ。

哲学対談といえば、笠井潔と東浩紀の往復書簡、笠井潔パートがアップされましたね。

http://shinsho.shueisha.co.jp/shokan/index.html

これを見ると、次の矢吹カケルでは「否定信仰」「否定神学」がテーマになるようですね。でもシモーヌはもう死んでいるので、次はいったい誰なんでしょう。

Male   ゲイ       マルセル・プルースト
 

# 561  【七百年の薔薇】 2002/08/22 23:20 返信する
From:HODGE 
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竜彦さん

ルイス・ガネットの『七百年の薔薇』って読んだことないんですが、米アマゾンではゲイ小説に分類されていますね。

それでgoogleで「Lewis Gannett gay」で検索すると、かなりヒットしました。GayのSFサイトにも入ってましたし、ゲイ雑誌でもいろいろ名前が出ていますね。
その中でもルイス・ガネットが Gay & Lesbian Review でレビューを書いているので、多分ゲイなんじゃないのかな。

http://glreview.com/issues/2001janfeb/

ということで、『七百年の薔薇』は何だか面白そうな小説なので、読んで見たくなりました。またそういう情報があったら知らせてください。

Male   ゲイ       アンディ・ウォーホール
 

# 560  【七百年の薔薇】 2002/08/21 16:00 返信する
From:竜彦 
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LewisGannettの「七百年の薔薇(theLivingOne)」なるものを読みました。典型的なGay小説ですね。作家本人は、Gayなのでしょうか? 彼に関する情報を知っていますか?

         
 

# 559  【吠えたくなるようないい月だ】 2002/08/21 03:49 返信する
From:Hermit 
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台風一過で月がきれいです。でももう寝なくては。

>HODGE さん
「ずっとお城でくらしている」、シャーリー・ジャクスンですね。
個人的にかなり気に入っている作品です。どうぞ歪な狂気の楽園を楽しまれんことを。

>> 『ジュリアブライド』とかって英潮社のやつですよね
よく分かりますね… さすがジェイムズ通!
半分以上進んでいますが、スリリングというよりある面コミカルだったりして結構意外です。コミュニケーションギャップの生んだ物語というか…
しかし、さる短編では終盤にいきなり様相が変わって、最後の一文が鞭のように効果的…

>> ノンフィクションはちょっとアート関係を攻めてみようと
これは面白そうですね。
アートのちゃんとした知識のある人間ではないので、余計に楽しみです。

>> 同時開催していた英祐という人の作品も面白かったです
そうですね。私もサイトを拝見した感じだと、紹介されていた日本作品2コーナーの方に興味を惹かれました。
日本人の作品には「発見」を感じることは少ないけれど、ある種の雰囲気醸成には非常に長けていますよね…… 現代日本作家の作品にもときどきおや?と思うことはあるのですが、なかなか作家名を記憶する所まで行かないのが実情です…(笑)

>> 「バットマンやスーパーマンなどの…
怪しい文章ですね…(笑)
スーパーヒーローは、実は危険な欲望の捌け口、体現者だと言いたいのでしょうが…(変身、暴力、などなど? バットマンと誰とかの関係には「ホモセクシャルな匂いがする」と何かにありましたし… 男色と書いてあるのはそのせいか? 「麻薬」もその手の解釈の一環でしょうか)
ゲイは麻薬と同等の危険な欲望… という訳なんですかね(笑) 悪魔の誘惑(笑)
あぁ、これだと
>> もう少しで暴れるところでした(笑)
危ない所でしたね(笑)

>> ロシア・パペットアニメの展覧会
ありがとうございます。結局寄る暇なかったんですけれども。
というか、私自身はフィギュアによりも、オブジェを動かす違和感を逆手に取った表現手法に惹かれたクチなので、あまり、その人形を買おうとか見に行こうとかいう感じではないんですけれどもね。

>> フェリシアン・ロップス展,ジャン=マルク・ビュスタモント展,「デメーテル展」
サイトをいろいろ見ましたが、またこれはバラバラな…
一つを見て連想したのはロートレック。かと思うともう一つは完全な現代アートで、更に一つはなんと複合施設だか町だかをつくってしまってますね。
何だか能動的には興味を持ちにくい印象でしたので、ご覧になったら(ならなくても(笑))是非解説を

>> ゲイのピアノサークル
そんなものがあるんですね。
まぁ私の場合人に聞かせるために弾いてる訳じゃないですが……(完全に自分の気分発散用)
でも人に聞かせられる腕前があるというのは羨ましい… まぁトレーニングつんだ人なら当然なんでしょうけれど。

>> 豊福剛
氏の文章その他については、さらにまた後日……


>Billy さん
>> 辞書類がすべて雨に濡れてしまいました。。。
これは…… ご愁傷様というか…
傷んだものも捨てるに捨てられないのでは… 全部で2万というのが不思議ですが、中には薄めの資料もあるのでしょうか。
被害は辞書だけなんですか?
でも
>> その上、この辞書類は無くても何とかなるんですが
これは語学力だなぁ……

>> 永平寺に参禅
永平寺の話は以前にも聞いたことありましたっけね?
>> 瞑想と禅とは全くちがったもので
あ、先生! ボク分かっていません!
昔ヨガを齧ったことがあって(オウムじゃないですよ。家にあった婦人百科を何故か見ていて((笑) 年賀状とか冠婚葬祭とか、案外時に面白かったので子供時分よく覗いたりしてました(笑) それに数回のシリーズで載っていたのです)
流れで瞑想もやったので、一応心を空にするのは何とか……
(呼吸法とかがあるのはそこへの入り口らしいですね。雑念を払う入り口として、先ずは自分の身体の状態、中でも呼吸に注意を置くという…… 感覚はしっかり持つが、それに伴って考えや感情は浮かべない状態というのか……)
でも禅はそれとは違うということですね?

>>『鉄鼠の檻』・ 僧の同性愛(男色)だったり
え、そういうことに言及があるんですか?

>> 某チリ人女性
って誰ですか(笑) タレントの某さん??
>> パッとヌくよりも、ねっちりと時間をかけて事に望まないと。
はは… これは上手い。座布団一枚?

>> 『群書類従』全部漢文で書かれてあるんですが、
>> 返り点がつけられているから結構早く読むことができます。
ありがとうございます。にしても…
うはーこれ…
高校の杜甫や李白以来ですよ… 今読めるかなぁ…
(国語の成績は結構よかったと言っても、古文漢文ははっきり言って身についてませんでしたから…)
なにか飛んで帰ってくるような字もありましたよね。
こういう知識も必須だったんですね……

  江碧鳥愈白 山青花欲然
  今春看又過 何日是帰年

>> でも4万で驚いていてはいけません。
そうなのか… 前にマグリットのカタログレゾネを買おうかと思ったものの、
1冊数万で4冊もあるのに恐れをなして… でもそんなこと言っていてはいけないのか。
とはいうものの、まぁ貧乏人には身の丈にあった生活が…(笑) とも思わないでもないですし。

>> 哲学第1回
すみません、このお話は次回にまとめて… (←煽っておきながら…)
(ついでながら、HODGE さんは参加しないのでしょうか)

Male   ゲイ       イヴ・サンローラン
 

# 558  【レディ・ジョーカー】 2002/08/21 03:48 返信する
From:Hermit 
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皆様今日は。
いや本当に時間が無い(笑)。手短に。(本当か?)

結局のところ、休み期間中にはほとんど本が読めませんでした。やっぱり夏休みはあれこれ予定を詰めずに怠けているぐらいの方が楽しいのかもしれません。
予定をこなせたのは、それはそれで良かったのですが。
でも仕事はいそがしいし、せねばならないこともまだまだ残っています……

読書。
そんな訳で読了は文庫版「ローマ人の物語」(1)と高村薫「レディ・ジョーカー」のみでした。
今も読みかけなのがヘンリー・ジェイムズの短編集(もうすぐ終わり)ともう一冊…

「ローマ人の物語」。
歴史もの、なんというか史説書みたいな本なので、感想を書くのも変なのですが、面白かったです。それにはやはり、ローマという国が、知らないようで案外なじみだったりするところも大きいですね。
初期のローマだなんて全く知る由も無いエピソードばかりかと思っていると、エルトリアやギリシャという隣国が結構馴染みだったりするのをはじめ、ロムルスとレムス、ルキウス・ユニウス(・ブルータス)、ヴァレリウスといった聞き覚えのある名前
(といっても、一部どこぞの"ファンタジー"小説で目にしただけの可能性もあり(笑))
もあるし、アテネとスパルタはさすがに知っているし、ローマの7つの丘も有名だし…
案外日本人にとってローマというのはなじみの国なのかもしれないですね (これだけ長く世界史に名を残せば当然か)。
個人的にはヌマという2代目の王が印象的で意外な存在でしたが、タルクィニクス、ヴァレリウス、テミストクレスなどを巡るエピソードも印象的。こうしたドラマティックな事件の宝庫である所も身近である一員なのかもしれないですよね。
まぁ、他にもあるようなことが、文明地に付き記録に残った、ということだというのもあるんでしょうけれども。
ところでローマの治世は長いけれども、この本は一体いつまでを扱うんでしょうね。
この後も間欠的に読み進める予定です。

「レディ・ジョーカー」。
さすがにこの作家の代表作の一つだけあって、読み応えがありました。
これは事件の流れがぐっと収束していく、とかいった類の面白さのある本ではなかったです(と思う)。その日までの犯人たちの人生が先ず描かれ、そして企業の様子、次いで捜査と、流れとしては倒叙型に近いものの、事件の進行と同時にその隙間になお横たわる謎を隠れた軸として話が進むのは旧作と似ています。しかし、事件はむしろ、どこまで行っても閉塞しているような社会の闇にどんどん溶け込んでいくというか飲み込まれていくような感じなんですよ。
(その辺り、この長さと合わせて、どこかP・D・ジェイムズを連想したりも…(神の問題も出てきますし))
読みどころはむしろ、冒頭いきなり出てくる、昔自分を解雇した会社に向けての手紙 (これも人生の述懐といった味があります) に象徴されるような、個々の人間の人生と心情の描写でした。
犯行にいたる各個人の心中もリアルで納得行くものでしたし、それだけでなく企業側の人間も、捜査する側も、全てが一つの人生、生々しい内面として描かれ、故に社会の閉塞感を否が応でも伝えてくる。
社会の闇ばかりでなく、人の抱える闇 (ある犯人が会田刑事の人生を垣間見て、これは面白い、一皮向けばこんな変態の人生が転がっているのだと嘲笑う場面は、「レッド・ドラゴン」で人食いレクターがグレアムに向かって俺たちはよく似ているのだと伝えてくる場面を連想したりも……)、
人は結局人にこそもっとも強い関心を抱き、突き動かされるものだということ、などといったものが生々しい感触で伝わる、といった仕上がりでした。
(それにしても、主人公の会田はバイオリンをたしなむクリスチャンだそうな…… 「マークス…」の時にはまるっきりの山男といった印象でしたが。
そういった辺りも含め、ここでの人間模様にはどこか「リヴィエラ」辺りも連想させられます)

もう一つはっとさせられたのが、
主要登場人物の一人がシモーヌ・ヴェイユを愛読書としていて、それを読む喜びが描かれる部分があるのですが、それが印象的だったので、なんだか無性に読んでみたくなりましたよ(笑)
こう偶然が重なるのは、読んでみろということかもしれないですしね。
その文章はこうです

>> マルクス主義思想の中身は根来には受け入れられない点も多いが、
>> 言葉の一つ一つ、ページの一行一行から溢れ出る一人の人間の、
>> とてつもない息吹、信念、情熱、優しさ、脆さ、危うさ、
>> 美しさに打たれ、人間が物を考えることの偉大さに触れ、
>> 生きていてよかったと思わせる喜びに満ちているのだった。
>> だから、開くのはどのページでもよく、ストライキの話であれ、
>> 神の話であれ、自分に書き送られてきた手紙のように
>> 数ページを読み、その真剣な眼差しを受け取って心が洗われ、
>> 半世紀も前に死んだ一人の女性に感謝しつつ、
>> それではおやすみと本を閉じるのだ。(上巻 p420)

そういえば借りてきたフラン・オブライエンの解説には彼がユイスマンスを愛読していたとあって、これも不思議な偶然。「さかしま」(借りてあるのですが)、気をいれて読ませていただきます(笑)。

そうそう、ADSL申請したら、光回線が途中にあってアウト。ショック…(苦笑)


Male   ゲイ       アルフレッド・ヒッチコック
 

# 557  【「ずっとお城でくらしている」読書中】 2002/08/20 23:00 返信する
From:HODGE 
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>Billyさん
それは大変でしたね>辞書
でも、辞書ってちょっとふやけたぐらいの方が引きやすくないですか? 僕も昨日の台風で鞄に入れていた文庫本がヤラれました。

>>京極
『鉄鼠の檻』はまあBillyさんのように本格的に詳しいと、そういう感想になんてしまうかもしれませんね。僕はこのシリーズはやっぱり「なんとかの○○」の部分、つまり『鉄鼠の檻』では「檻」が「何であるか」がわかったときがすごく面白いですね。『狂骨の夢』の「夢」があれだったり、『ジョロウグモの理』の「理」の意味するものがズバっと出てきたときは感激しまいた。

>>Joey Stefano
だったら『More of a Man』が良いですね。こんなに感動したpornはない感じです。というかこれは一般映画もあわせて最高のゲイ・フィルムの一つだと思っています。
積読状態になっているJoey Stefanoの伝記、頑張って読みたくなりました。

>>それに、毎日していたら有名男優のように出が悪いだろうし、、、

え、毎日じゃないの?(笑)

>>英語サイト
でもあると、いろんな国の人が読んでくれますよね。
僕も以前、フランス人のゲイの大学生のサイトを良く見ていたのですが、日記とか読んでいてわりとハマったりしましたね。あとたしかスウェーデンに養子に行った軍服が好きな韓国人ゲイのサイトとか。

そうそう、なんか「はてなアンテナ」という良く見に行くサイトを登録しておくと、更新情報を知らせてくれるサービスがあるんですが、ちょっとHODGEアンテナでも作ろうかなと思っています。まあその前に新サーバへの引越しを完了しなければ。

>Hermitさん

>> ユルスナールの『黒の過程』
これは異端審問とかがあって、わりと面白いですよ。主人公はゲイだし。

>>現代美術
といってもあんまり「ポストモダン」な感じは好きではないんですよね。どちらかというと「技術的」で(一見)「難解」なやつがいいですね。マイケル・ナイマンよりは、メシアンの音楽が好きなように。
なんか面白い展覧会はないでしょうかね。

>>久々にピアノをいじったのですが
僕もムソルグスキーの『キエフの大門』をちょっとさらいました。というか以前ゲイのピアノサークルに入っていたことがあってその発表会でも弾いたことがあるんですよね。


Male   ゲイ       イアン・ソープ
 

# 556  【社会の発展と文学の擁護】 2002/08/16 23:08 返信する
From:billy URL:http://ronan_jp.tripod.com/index.htm
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今週も忙しかったです。何かもうしんどくてしんどくて当分は寝ていたいと
思っている今日です。

ついでに、すごくショックなことがありました。
昼間仕事に出かける時、結構締め切っていると暑いから、窓あけて仕事に
行くんですね。それで、いつものように出かけたのですが、僕が外出中の時
夕立のように、一時的にすごく雨が降って、僕の部屋にも振り込んで、僕の
机の上に置いてあった、辞書類がすべて雨に濡れてしまいました。。。
辞書類といっても、普段使っている机の上の辞書はOxford Advanced learner's
Dictionaryだったり、コウビルド、ケンブリッジのAdvanced Learner'sを
すべてやられました。その上、この辞書類は無くても何とかなるんですが、
A Practical English Grammarという英文法の参考書がやられたのは痛かった
です。だから、これらすべてを購入し直したら、2万近くになってしまって、
当分本は購入出来ません。(笑)

あ、でも、それがショックで投稿しなかった訳ではないんですよ。(笑)

本当は、Hermitさんが投稿する前に投稿する予定だったんですが、突然というか、
正確に言うと僕が忘れていただけなんですが、永平寺に参禅することになって、
その準備やら、参禅やらでなかなか時間がありませんでした。

僕はあることから曹洞宗の人と知り合いになって、もう2年ぐらい毎年この時期に
永平寺に参禅に行きます。京極さんも小説に書いていましたが、瞑想と禅とは全く
ちがったもので、僕はまだ神経が研ぎすまれる経験をしたことがないんですが、
すごく座禅後はすっきりした感じがして、なかなか楽しいですよ。

で、今週の読書は少なくて1冊とある本の部分を眺めただけです。

今週の京極です。
今週は『鉄鼠の檻』を読了しました。読み終わった時の感想はですねー、ストーリー自体は
すごくおもしろくて読んでいる最中は結構楽しめました。ただ、読み終わったらちょっと展
開がつまらなかったかもと思っています。
「禅寺」とか「仏教」から、僧の同性愛(男色)だったり、小坊主と偉いお坊さんの性的な
接触とか、誰でも想像つく分野ではあると思うんですよね。
ただ昔はともかく、実際参禅なんかに行くとそう言う感じは全くしないので、時代錯誤的な
明慧寺にはぴったりかと思いますが。

そして、最後にはまた伝来したが今はもう衰退した宗派の寺院ということになって、『狂骨
の夢』と同じパターンだったのがちょっと残念でしたね。

そして榎木津。彼の登場もおもしろいんですが、鳥口の榎木津のとをいう表現もおもしろか
ったり、榎木津の名前間違いが毎回すごくおもしろかったです。
色々変った名前を勉強出来ました。

>>そんな彼氏とHするまで「溜めておく」ようなことしなくても。
>>ムラムラってきたらパッとヌくように気楽にどうぞ。

だめだめ!
ただでさえ、日本人は「小さくて短い」と某チリ人女性にいわれているんだから、
パッとヌくよりも、ねっちりと時間をかけて事に望まないと。
それに、毎日していたら有名男優のように出が悪いだろうし、、、
ついでに薄くなってしまいそう。(笑)
ほら、出がらしのティーパックと同じ。

>>あんまり感じないと言うのは鈍感なんだろうか…
>>ただ、夏にはべとべとした感じはしますけどね、
>>アイスクリームを落として服につけちゃった、みたいな。

おお、見事な比喩っすね。なんか、本当に目立ちません?
僕なんて電車内であまり本も読まずに人間ウォッチングしているものだから、
結構バカップルは目立つし、ついでに見ないでおこうと思うとよけいに神経が
そっち方面気になって、気になって、ついつい見てしまうという悪循環に
陥ってしまうんですよ。(笑)

>>Joey Stefano

といえば、Legend of Joey Stefanoぐらいしか見ていないんですが、彼って
シーンが変るたびに(作品のたびに)顔の感じが変っていますね。
何かおっとりとした感じの時もあるし、すごく男臭い感じをする時もあります。
何かミステリアスな男優だったりしますよね〜。

>>「アメリカ」が多いのは、多分"com"のプロヴァイダーのせいかと思うのですが、
>>それ以外でも、台湾、韓国、中国、フランス、ドイツからのアクセスが意外に多いです。

おおー、HODGEさんもですか、うちのサイトもそうなんですよ。
理由は、名刺に印刷して配りまくっているからだと思うんですが、アジア系が最近多くなってきて
なぜだか理由考えています。これだけは不明なんですよね。(笑)

>>HODGEさんもこれから英語サイトの構築に忙しくなるんでしょうかね?

これですが、ちょっと大変ですよ。語学力云々とか言うんじゃないんですよ。
たぶんHODGEさんはサイト作る英語力もありそうだし。
作り始めるとサイトのことばっかりになると思うんですよね。
英語版と日本語版作る訳だから、今までの労力2倍ですよ。考えただけで恐ろしい。

ついでに僕の英語サイトは、国宝→real→英語とある程度コンテンツを作り上げるので
開店休業状態です。
英語版が軌道に乗ったら、日本語版をリストラする予定。


>>というのはシロートには怪しげな名称。何だろう?

『群書類従』は江戸時代に書かれた公的文書をファイリングしてある書物
何ですが、正編100巻・続編100巻のほか、まだあるんですが、その神技部
は、今でいう官庁が各寺院などに発布した文献を集めたものです。

全部漢文で書かれてあるんですが、返り点がつけられているから結構早く
読むことができます。

>>>>『紀伊国名所図会』、読んでいると新しいアイデアが浮かんだり

>>これはガイドの、ですか? こう書かれると聞いてみたくなったりして…

それもあるんですが、その当時の認知度が変ってくるんですよね。
僕は誰が何を言おうが、戦前国民全体が戦争に勝つとは思っていなかったと
思うし、色々な本に書かれてあるようなことも半分ウソも入っているのでは
と思っているタイプなんですが、それもその当時の新聞・雑誌・そしてフィ
ールドワークを厳密に調べて導いた結論なんです。
歴史なんてやっぱり生の史料をあたるのと、その史料を基に書かれた本などの
資料をあたるのとでは、全然違うと思うんです。

要は、その当時の観光地がどういうにぎわいで、どういう利益があってとか
そう言うのを知るために眺めていました。
そうすると、今まで考えていたことが、実は違うのではないかとか
認識を新たにすることもしばしばあるんですよね。

>>それにしても4万はたいて買ったんですか?

買いましたよ。他の国は図書館で必要な時に眺めますが、紀伊国は僕の故郷
ですからね。
本箱の郷土史のコーナーに置いてあります。(飾ってあります)

でも4万で驚いていてはいけません。
僕は結構学生時代に毎月1冊ずつシリーズものを購入していたりして、結構な
金額を本に投資してあるんですが、吉川弘文館の『国史大辞典』なんかは、
必要不可欠な辞書だし、英英辞典を収集するのも結構好きだから、バブリー
だった頃の遺産として使っていますよ。
結局歴史関係で英語を使う仕事をしているから、必要なんですけどね。
都会ではない分、近くに大きな図書館もないし、いちいち図書館に行くのも
めんどくさいから、そう言う労力も必要ないから、買っていて良かったと思
っています。

本当は、『漢和大辞典』とかも欲しいんだけど、さすがに買えない。


では、哲学第1回です。


>>白いページのうえに明朝体で印刷される文学の言葉と、明滅するスクリーンのう
>>えで携帯メールやチャットとして交わされる言葉のあいだのどうしようもない乖
>>離二〇世紀の伝統を引き継ぐ「思想」や「文学」にははたして何らかの役割があ
>>るのか、もしそのような役割があるとして、ではそのとき「思想」や「文学」の
>>言葉はどのように変わっていくべきなのか、

この点について少々自分の意見を言っておきたいなーっておもっとります。
まず最初に「印刷される言葉」と「明滅する言葉」について。
僕はこの明滅する言葉にすごくパワーを感じるんですね。というのも、今までは
明滅する言葉なんて存在しなかったし、まずもって文字のパワーが低下していた
時代じゃなかったかと思うんです。つまり、雑誌が主流だった時代から、テレビ
が主流になって、私たちが甘受する言葉というものは、文字よりも言葉だったん
です。その上、このことは情報を発信するタイプと情報を受信するタイプに人間
を明確に区別した。それを明滅する文字というものが根底から崩してしまった。
携帯電話から携帯で文字を打つということは、文字が復権したことだと思うんで
す。特に、まぁ、僕は個人的に顔文字というものは嫌いで使わないんですが、こ
のようなアイデアは文字の復権を端的に意味していると思います。
そして、そのような時代の先に、私たちが情報を発信する時代が存在するのも歴
史の流れとして当然だと思う。そして、そこに確実に時代の分断があると思うん
です。その上、個人が情報を発信するという事と同時に、個人が情報を受信する
機会も多くなった。それが、

>>旧来の思想や文学の言葉を担ってきた人々は、現実のあまりの変容にただ絶句し、
>>それを解釈も解読も分析もできない、深刻な失語症に陥っているのではないか。
>>だからみんな黙ってしまった

理由なのではないかと思う。ほとんどのマスコミが同じような報道を何時間もし
ていると私たちはすべて同じような情報を元に自分の考え方を形成させていく訳
だから、現代の「文学者」だったり「思想家」は、同じような意見を持たざるを
得ない訳です。旧来の言葉を担ってきた人たちは、失語症にも陥った訳ではなく、
むしろ発言する情報を充分にもてなかった訳ではなかったのか。僕はそのように
思います。
つまり、情報を発信する人たちが失語症に陥ってしまったのではないかと思うん
です。そして、このような情報発信者=少人数、情報受信者=大多数という建て
前が崩れた21世紀に、情報をどのように吟味していくのか、思想家だったり文学
者が活躍する場は未だに存在するんじゃないかと思う。

短いようですが、今日はここまで。


Male   ゲイ       トム・フォード
 

# 555  【Gay League】 2002/08/14 21:36 返信する
From:HODGE 
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Radical Will で書いた記事のリンクに面白いものがありました。ゲイ・リーグというゲイのマンガ専門サイトです。

http://www.gayleague.com/

アメリカにはいろいろなゲイのマンガがあるんですね。ちょっといくつかアマゾンで仕入れてみます。

Hermitさん
相変わらず暑いですね。
ヘンリー・ジェイムズの『ジュリアブライド』とかって英潮社のやつですよね。たしか3冊でています。僕もまだ未読なのでそのうち読むつもりです。まあ僕はもう『金色の盃』を読んだので余裕で「ジェイムズ通」を気取れますが。
『エクソシスト』は小説だとどうなんでしょうね。やっぱり怖いのでしょうか。

今読んでいるのは法月綸太郎の『パズル崩壊』です。なかなか面白いですよ。ノンフィクションはちょっとアート関係を攻めてみようと。
ペティボン展に行ってきたのですが、まあペティボンも良かったのですが、同時開催していた英祐という人の作品も面白かったです。

そうそうペティボンといえばパンフレットに
「バットマンやスーパーマンなどのスーパーヒーローは、一般市民を悪魔から遠ざけておくことができない男色や麻薬乱用のように、そこに潜在する欲望を腹蔵なく表出します」
って書いてあるんですが、これの意味ってわかります? 
なんか日本語が良く分からないのと、同時開催でいろいろと他にもやっていて時間がなかったので「担当者を問い詰める」ことはしなかったのですが、もう少しで暴れるところでした(笑)

そういえば渋谷のロゴスギャラリーでロシア・パペットアニメの展覧会をやってますね。たしかHermitさんは、こういうのが好きだったような。

あと町田でやっているフェリシアン・ロップス展と横浜でやっているジャン=マルク・ビュスタモント展はぜひ行きたいですね。本当は北海道でやっている「デメーテル展」にすごく行きたいのですが、ちょっと遠くて。


Male   ゲイ       ルパート・エヴェレット
 

# 554  【よしなしごと】 2002/08/13 19:08 返信する
From:Hermit 
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>Billy さん
あれ? 私より先に書き込みがある予定なのでは…

>> 『古事類苑』(吉川弘文館)の数冊と『群書類従』(群書類従完成会)
お仕事関係ですね。しかも一部分(笑)。それにしても、
>> 神技部
というのはシロートには怪しげな名称。何だろう?

>> 『紀伊国名所図会』、読んでいると新しいアイデアが浮かんだり
これはガイドの、ですか? こう書かれると聞いてみたくなったりして…
それにしても4万はたいて買ったんですか?
>> その当時の容貌
というのは、髪型? 本当に容貌自体が違っていたら怖いなぁとか、ホラー的な方向に想像力が走ってしまうので……

>> ここに登場する人物は何ともキャラがこくって
そうなんですかぁ…
私は『魍魎』しか読んでいないんですが、ちょっとユニークな脇役がいるな、程度にしか感じていなかったので、もしかしたら他の作品も読んだ方がその辺りの魅力が掴めるのかも知れないですね… 榎木津とか、名前だけは記憶に残っているんですが…彼らはあの作品ではさほど出番が無かったような…
『魍魎』まで読んだら、その辺もご紹介ください。

>> Hermitさんは、その足のすね毛に…
すねというよりも…
というかですねぇ、電車に乗っていてそこまで具体的に妄想してたらアウトのような気がするんですが(笑)
ついでながら、胸は勿論目に楽しいんですが、でも車中では胸の見栄えがする人にはなかなかお目にかからないような気が…

>> 端にいる方としては甚だ迷惑だったりします。(バカップル)
あんまり感じないと言うのは鈍感なんだろうか…
ただ、夏にはべとべとした感じはしますけどね、アイスクリームを落として服につけちゃった、みたいな。

>> そろそろクラッシュしそうな予感。。。
大丈夫ですか… ? (←他人事)
でも炎天下の畿内を歩くのは数時間でもきつそうですね…
なので
>> 哲学対談の第1回について書こうと思います
楽しみにしてますが、せかすのはとりあえず止めておきます(笑)
>> ほーむページでは、第1回はもう無くなったようなのですが
え? 本当ですか? 見てみよう

>> 塩野七生さんの『ローマ人の物語』
こちらにしました。
>> 加藤周一さんの『日本文学史序説』
については情報量が半端じゃないそうなので…
別に暇を持て余しているわけじゃないので、これだけに夏休みをつぶされるとちょっと(…笑)

Male   ゲイ       グレン・グールド
 

# 553  【ダダの精神、錯綜した語り】 2002/08/13 19:06 返信する
From:Hermit 
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>HODGE さん
>> ユルスナールの『黒の過程』
波乱万丈ですか、面白そうですね。「ハドリアヌス」よりも入門にはこっちの方がいいのかな?
「東方奇談」とかいろいろ訳されていて、却って選ぶのが難しい…
それにしても、これだけコンスタントに訳されているというのは、やはり固定ファンがいるということなんでしょうか。

>> 真理とは「リンゴの手押し車をひっくり返すものすべて」
マグリットは何かの思想をひっくり返すとかいったことを主張はしていないのですが、でもシュルレアリスムの母体の一つ、ダダの精神を色濃く受け継いだ人でしたし、作品から見てもやっぱり手押し車をひっくり返すようなことを楽しんでいたフシは見られますよね(笑)
マクルーハンもクリスティーを引用とは洒落ていますね。「大衆文化の引用」?的な面でも先をいっていた人なのかも… とか何とか言っている前に著作を読めという感じですか… ハイ。

>> デュシャンと言えば
これは、いろいろな側面を含んでいる問題のようで、その全体をさしているのかな、それともその一つだろうか… などと思ったりしていますが…
パロディーとオリジナリティーの問題もあるし、絵画は何を描くのかという問題もあるし、逆に絵( "美術作品" )の中に何を見るのかという問題でもありますし…。

そういえば、何かに載っていた現代美術にまつわる象徴的なエピソードなんですが、
(以下、記憶だよりで極めてあいまいです)
ある現代美術家が(その当人の文章だったと思いますが)、自作の、ゴミで出来た作品の展示会場にいたところ、一人の婦人が寄ってきて「何故あなたはこんな汚いものばかりで作品を作るのか」と聞いてきた。
そこで作者が「それが何で出来ているかというよりも、それがどんなものであるかを見ているんですよ。例えば私には(と、婦人の持っていたハンドバッグを指差して)それは、動物の屍体の皮に見えます」というと、婦人は怒って出て行ってしまった。
ところがしばらくするとその婦人が戻ってきて、私には分かりました、といったと言うのです。
なにやら出来すぎの話ですけど、ともあれこの辺りの"現代美術" 作品は"革命" であると同時に作品の見方に関するルネサンス的側面もあるということなんでしょうかね。
といっても、多くの作品は往々にして、ネタ以上の意味は無いような、言ってみれば革命のプロパガンダのようなものでしかなかったりもするのでしょうが……

>> 「信頼出来ない語り手(証拠)」
そういえば、これは先日読んだ「ホラー小説大全」に書いてあった話なのですが、そもそも小説中のどの語りが信用できるのか分からないという、メタフィクショナルなつくりは、18世紀のゴシック・ロマンスにまで遡るらしいんです(これはホラー小説の話なので、普通小説にも通底する話なのかそれはまた別物なのかは分からないんですけどね)。
複数の序や編者の言葉、様々な手記や記録などなどが頻出して最終的な判断を拒むような、読者を混乱させることにその目的を見出すような作品になっているということらしいんですよね。

>> それでちくま学芸文庫から出ているテレンス・ゴードンの『マクルーハン』
参考にします! 余力があれば…

>> google がウォホール・カラー
後でもいいやと思っていたら、日付をいつの間にか過ぎてしまって見損ねました(笑)

>> ヘンリー・ジェイムズの『金色の盃』、約3ヶ月かかって読了
これは… 凄い、と同時に自分では手を出すのはやめておこう(笑)

>> ハロルド・ジェフィ
Positive 01 には「マドンナ」が載っていた人ですよね。そんなには面白い印象が無かったので(それなりには面白かったのですが)、長編となると更に手を出しにくいと言うか…
実はこの辺のポストモダンの旗手として紹介された作家の結構多くに、似たようなアレルギーを持ってしまっていたりします(笑)。ドン・デリーロだとか。

>> 夏休みの読書感想文に『本陣殺人事件』とか『グリーン家殺人事件』
いいですねぇ、自由に選べて。
私のときは、指定の30冊ぐらいの中から選ばざるを得なかったんですよね…
高校の時は何か結核で死ぬ話と(日本人作家)『嵐が丘』、だったかなぁ…

>> P・D・ジェイムズは保守党の議員だと知ってから読むのをやめていた
さすがに HODGE さんは主義に忠実だなぁ…

そういえば先日本当に久々にピアノをいじったのですが、まぁ元が元だけに、初めはジムノペディすら満足に弾けない(笑)身障者的?(差別用語か?)な状態でした。頭で暗譜はしていても指使いを覚えていなかったりとか… 汗はぼたぼた滴るし…
それでも2時間ぐらい弾いているとそれなりに結構感覚(と身体的な記憶)が戻ってくるものなんですね…

>> バーナム博物館
宿題が溜まる一方だと、知っている本が出るとちょっとほっとしますね(笑)。
(『アイゼンハイム』は、さすがに世界幻想文学大賞受賞作だけのことはあるでしょう?)
タイトルの出た作品以外では、私は「雨」という作品も気に入っています。ラストもいいですし、なにより雨の日に重い荷物を持って歩きつづけ、途中でもう歩きたくない気分に刈られて立ち止まってしまうような、あの気分を見事に活写していると思えたんですよ。

>> ニーノ・ロータ
彼の作品集を人からコピーしてもらって聞いたことがあります。
フェリーニは「 8 1/2」 と「道」ぐらいしか見たことが無いか思い出せないのですが、G #G A - A #A H - H C ♭E - G というのは、「甘い生活」、でしたっけ?
甘いトランペットの響き、というイメージがすぐに浮かんできますね。そうでない作品もあったとは思うんですけれど。

「白い恐怖」というのはタイトルが気になりますね… 往時のハリウッドの映画、なんでしょうけれど。多分サスペンス?
「ピアノ・レッスン」は人からビデオを借りているので、この休み中に見たいと思っています。「山猫」何かと一緒に。
確かに映画音楽はその映画のサントラとして出ることはあっても、それ以外の形で出回ることはそう無さそうですよね (←そんなにレコードを買う訳でもないのでサントラなどについてはほとんど無知)

>> 豊福剛
氏の文章については、きちんと読んでいないのでまた後日。

Male   ゲイ       ルキノ・ヴィスコンティ
 

# 552  【夏休み気分…?】 2002/08/13 19:04 返信する
From:Hermit 
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…だという訳でもないのですが……

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皆様今日は。
涼しい日を交えつつも暑い暑い…。最近濃色のTシャツを着ていると大抵、いつの間にか白く細長い、粉っぽい汚れのようなものが数箇所ついていて、いつつけたのかと思っていたのですが、どうやら汗が蒸発して出来たものらしいんですね。
ラグビー選手ではよく練習後眉の上に塩の結晶が出来ている、なんて話を耳にしたこともあるんですが、こうやって日常生活でも、自分の体から出た塩分を見る機会があるのだとは思っていなかったです…

そんなこんなで、暑さでくたばっているのか忙しいのかよく分からない日々を送っていて、夜には何かを書く気力も無く… といった具合でした。
昨日も方々出歩いたり本を買ったり(といっても小説は入っていませんでした)の後、今年こそはペルセ群(ペルセウス座流星群)を見るぞ、と思って夜明け間近まで(部屋で)待機していましたが、雲が取れないうちに東の空が白んできてあえなく終わり…

どうでもいいことばかり書きましたが、本がほとんど読めなかったので本筋でもどうでもいいことばかりですね(笑)。
読んだのは、ブラッティ「エクソシスト」のみ。
何で今頃「エクソシスト」なのかと言うと、単に閉店間際の書店に飛び込んで文庫の棚で目に止まったのがそれしかなかったから、というだけなのです。
(ローマ人の物語、は、その時は図書館で借りるつもりでいました)
内容についても、お話するようなことはさして……
(昔)映画を見て流れそのものは知っていたため、後の興味は小説としての肉付けの部分に面白さがあるかといった辺りでしたが、信仰にまつわる部分があるのも異色とはいえ特に注視するほどでもないような印象でした。その内容が普遍的過ぎて、逆に改めて取り立てて感じるような部分が無かったのかも、と考えることも出来ますが…

今はローマ人の物語(1)を読んでいて、図書館からはヘンリー・ジェイムズの短編集(パンドラ、パタゴニア号、コクソン基金、ジュリア・ブライド)と文学選集の1冊(フラン・オブライエン「ドーキー古文書」+ミュリエル・スパーク「マンデルバウム・ゲイト」所収)を借りていて、高村薫「レディ・ジョーカー」とユイスマンスの「さかしま」を取り寄せしている所(ジョーカーは来たらしいのですが…)。
たまには詩や俳句でも読もうかとも思ったのですが、図書館で適当な本に行き当たらず断念。
思想関係も、例えばマクルーハンの本は幾つか借りられそうでしたが、その棚に行く前にタイムアップ。
もっとも、借りた本も消化しきるかどうか怪しいかもしれないです。どうもすっかり読書は通勤電車でするものになってしまっていて、家にいると他の事をしてしまうんですよ。
ローマ人は結局買いました。借りた本が大きい単行本ばかりなので、文庫本が欲しかったのと、後は価格的に抵抗が少なかったこともあるかなぁ… もっとも、全巻そろえるスペースがあるのかどうか、考えどころ… まず本棚の整理をしなくては…

ウクライナといって連想することといったら、旧ソ連では多分ロシアの次に大きい国だとか、穀倉地帯であるとか、キエフ(→チェルノブイリが近い?)があるとか、新体操の強国であるとかいったくらいでした。
書いてある内容自体は私でも理解できたものの、もしや引っ掛けでは?、というわけでHODGE さんの書き込みがあるまでは見に行かずにいました(笑)。 ちょっとしか見ていなくて内容は余り分かりませんでしたが(文章中心だったような…)、BBS はともあれ英語でのコンテンツ(ロシア語のもあるのでしょうが)でしたね。
会話は英語の得意な方にお任せしますが(笑)、語学に堪能な方なんでしょうかね、BBSでも「その他」の項目をしっかり選んでありましたから日本語も一応できるとか?

ではHODGE さんもこれから英語サイトの構築に忙しくなるんでしょうかね? The other passage ??

Male   ゲイ       マドンナ
 

# 551  【ゲイ男性の自殺率の記事】 2002/08/11 11:45 返信する
From:HODGE 
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下のウクライナの人の投稿には驚きましたけど、社会主義が崩壊してロシアも同性愛が認めれられるようになってきたようですね。

そういえばこのサイトのアクセスログを見ると、「アメリカ」が多いのは、多分"com"のプロヴァイダーのせいかと思うのですが、それ以外でも、台湾、韓国、中国、フランス、ドイツからのアクセスが意外に多いです。そう思うと英語のコンンツがあるといいのかな、と思います。
そうすれば、日本のゲイの置かれている状況も海外に広く発信できますしね。

それとの関連もあるのですが、ちょっと書きながら「血圧が上がった」(by Billyさん)ものがあるので、ここにも転載しておきます。radical will に書いたもので、もちろん「やおい」絡みです。

----------------
ゲイ、バイセクシュアルの男性の自殺率の高さが調査の結果、明らかになりました。


Reuters

HealthScoutNews

これはカリフォルニア大学Jay P. Paul博士が、1996年から1998年に約3000人のゲイ、バイセクシュアル男性をインタビューし、その結果を医学専門誌に発表したものです。調査によると、21%の同性愛男性が自殺を考えたことがあり、12%が実際に自殺を企てたことがある。(「一般男性」では前者の数字が9%から15%、後者が1.5% から 3%)

とくに十代や若いゲイ男性が示したことによると、「カミング・アウト」を含めた実際自分のセクシュアリティの現実に直面したときに、自殺の可能性が高くなるということです。

博士はこのように言っています「それぞれ(ゲイ男性)がどれほど個人的にあるいは精神的に「強く」ても、彼らをとりまく環境(context)が、同性愛に対し差別的で、ハラスメントや疎外感を与えているかぎりどうしようにもない。積極的な社会的支援が必要だ」と。


これはアメリカの研究であるが、日本でもまったく同様だと思う。
例えば「やおい」と呼ばれる「差別的なエロ本」。「個人的な妄想」と言いながら、「ホモ」という侮蔑語を使い、出版され、それについて一般メディアで「嘲るように」語られるならば(これが重要)、それはもうすでに「ハラスメント」と同じではないか。

この自殺の記事にしても、彼女たちの言う一種の<ホモ・ネタ>であろう。
この<ホモ・ネタ>で楽しみ、「萌え」ることは、「あなたたち」の自由です。



Male   ゲイ       ベルナール=アンリ・レヴィ
 

# 550  【Why not!】 2002/08/11 11:06 返信する
From:HODGE 
--------------------------------------------------------------------------------

Hi, Alexander. Thank you for visiting my site.

Oh, from Ukraine, that's so Fantastic! This is a real experience, and I'm so appreciate your frendship, why not?

Your site "suckandfuck"(very straight to the point, HaHa) real good. I'm ceartainly impressive that we gay not all alone and friends all over the world.

Regards
HODGE

Male   ゲイ        
 

# 549  【Alexander 】 2002/08/09 10:09 返信する
From:How about friendship? URL:http://suckandfuck.narod.ru/
--------------------------------------------------------------------------------

Guess what? Hello, My name is Alexander and I live at Ukraine. I've decideded to look for you here so I write to see what would happen. I'm not perfect and think you too. I like traveling a lot

Take care
Alexander
PS. To learn more about me just visit my site suckandfuck.narod.ru
Kisses,
Alexander


Male   バイ       リッキー・マーチン
 

# 546  【『金色の盃』読了!】 2002/08/07 21:55 返信する
From:HODGE 
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ヘンリー・ジェイムズの『金色の盃』読み終わりました!
ふう、一度ならず二度三度挫折してのトライで約3ヶ月かかって読了。とりあえず「ものすごい」小説でした。読後直後なのでまるでヤクザ映画を見て「気が大きくなった」ような、「以前のオレとは違うぜ」っていう感じです(笑)

>Billyさん
>>HODGEさんのサイトって長文が特徴じゃないですか。だから、少しまとまった時間がないと、書けないし、その上色々と
知識も蓄えておかないと通用しないので


そんな彼氏とHするまで「溜めておく」ようなことしなくても。ムラムラってきたらパッとヌくように気楽にどうぞ。


>>京極堂

やっぱり榎木津のキャラ、気に入りましたね。そうなんですよ、京極はストーリーや謎解きも面白いんですが、登場するキャラクターも最高なんでうよ。僕も榎木津のキャラ好きですし、鳥口っていうのもわりと印象に残ってますね。

>>胸板
>>その上、胸の起伏は3cmぐらいがちょうどいい。
>>胸毛もない方が肌の(土偶ではなく有田焼のような)張りがみれるのでない方がいい。
>>それを鑑賞するのにちょうどいいのは、右斜め40度です。
(脇毛の場合は右斜め45度ね。)


さすが「美学的」な視点ですね。
胸毛はわりと好きだけど。僕の場合、胸毛がないほうがよいと思うときはアレかな。 Joey Stefano のマネをして相手にぶっかけた自分のザーメンを舐めるときとか。臍から胸の谷間に舌を這わせてそれをしていると、出したばかりなのにまた勃っちゃったりしてね(HaHaHa)。

>Hermitさん
>>#F A G #F #C H #C D A

これはジムノペディ1番ですね。ドイツ音名でフィス、アー、ガー・・・

>>ジェラルド・カーシュ「瓶の中の手記」

これってアンブローズ・ビアスの失踪の話が出てくるんですよね。ビアスの『生のさなかにも』読んでみようかな。


>>「ホラー小説大全」

え、これ滝本氏との対談が載っているんですか。ちょっと見てみよう。


>>推薦図書

なんて中学生? そういえば夏休みの読書感想文に他の人たちは「ヘレンケラーの生涯」とか書いていたのに僕は『本陣殺人事件』とか『グリーン家殺人事件』とかだったような。

夏の課題図書は翻訳が出たハロルド・ジェフィの『エロス、アンチ・エロス』にします? 
『ストレート・レザー』は途中「ホモ」って言う単語が頻発して、これが「訳者が選んだ」単語なのか、それとも作者がFagとか使っているのか分からなくて、イラついて、読むのをやめたのですが、これはそれほど「侮蔑的」な言葉がないような感じですね。
あとユイスマンスの『さかしま』。

P・D・ジェイムズは保守党の議員だと知ってから読むのをやめていたんですが、今度保守党も同性愛OKになったのでひさしぶりに読んでみようかな。『神学校の死』(でしたっけ)も出たようですし。
日本のものだと高村薫と小池真理子の新作とか。

Male   ゲイ       イアン・ソープ
 

# 544  【遅れました】 2002/08/07 02:32 返信する
From:billy 
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いやはや、仕事が本当に多忙になってきたので、なかなか時間が無く、
ほら、HODGEさんのサイトって長文が特徴じゃないですか。
だから、少しまとまった時間がないと、書けないし、その上色々と
知識も蓄えておかないと通用しないので、時間がない時になると
なかなか投稿出来ないんですよね。

>HODGEさん、こんばんは。

さて、今週の読書ですが、まずは『古事類苑』(吉川弘文館)の数冊と
『群書類従』(群書類従完成会)の数冊です。
これらの本は日本史を勉強する上での必須の本というか、基礎資料な
んで、ちょっと古代の神社を調べるために神技部をめくっておりまし
た。後は、それに関係して『紀伊国名所図会』です。

この名所図会、ほとんどの国はシリーズとしてあると思うんですが、
一種の観光ガイドみたいな本です。だから、ここにのっていたら
その当時から存在したとか、その当時の容貌だったり、世間での認識
とかわかるんで、眺めているだけでも楽しいですが、読んでいると
新しいアイデアが浮かんだりして重宝します。
ただ、1冊4万以上しますが。。。。

ここまでは専門書のたぐいで、あまり興味がないと思うので、
今週の京極さんです。
『狂骨の夏』と『鉄鼠の檻』の一部を読みました。
後者は400ページほど進んだだけなので、未だ何とも言えないんですが、
前者はおもしろかったですよ。
私称天皇と髑髏。なかなか僕にとっても興味あるテーマだったんですが、
途中、神主らしき人が、髑髏を探すシーンで、「もしや」と思い、
釣り堀屋が意味不明な寺院に紛れ込んだ時に確信しましたよ。
真言宗の立川流が関わっているんじゃないかと。

事実そうだったんですが、そこと私称天皇がどう関わってくるとか、
京極堂の真言宗立川流の解説を楽しみに読んでしまいました。
(あの記述には一部完全に間違っている部分があります。)

まぁそれはともかく、小説としては、主人公の女性がどうやって記憶の重複
だったり、前世の記憶が蘇ったかという部分に理屈をつけていくのかも
小説としては楽しみでしたね。

ただ、少しまったりしているというか、はじまりがダラダラ話が展開してい
くような感じがして、そこが今一でした。
小説としては必要な部分なんでしょうが、そこの部分と100ページ過ぎの辺り
のペースを較べてみると、やっぱり僕の読書スピード違いましたもん。

そして、『鉄鼠の檻』。これは今読書中なので、話の内容はさておいて、
このシリーズ読んでいるとつくづく思うのですが、登場人物がなかなかユニ
ークですね。探偵がすべてを解決するのではなく、探偵の友達が解決すると
いうのも特徴的ですが、ここに登場する人物は何ともキャラがこくって、
そう言ったキャラが現れている会話を読むにつれ、笑ってしまったりします。
特に榎木津が最高で、『鉄鼠・・・』になるとますます強烈になった感じがします。

>>バーチャル恋愛ゲーム『炎多留』

これは、登場人物を選択するのではなく、僕がその登場人物と「遊ぶ」と
いう形式で遊んでいます。
って、僕もあまり詳しく知らないのですが、たぶんそのような遊び方しか
できなかったと思いますよ。

でも、そろそろ飽きてきたって感じですかね。(笑)

>>私は、あえて言うなら足かなぁ…
>>え、足? 腋毛? 僕は「胸板」だけど

胸板もわかる! 足もわかる!
結局いい男は、どのパーツでも男前ということですが。
もしかしてHermitさんは、その足のすね毛に肌をすりすりしたいという
願望を持っていたりします?

ちなみに胸板は、美しく日差しを反射させているあまり焼きすぎていない
胸板に限ります。
その上、胸の起伏は3cmぐらいがちょうどいい。
胸毛もない方が肌の(土偶ではなく有田焼のような)張りがみれるので
ない方がいい。
それを鑑賞するのにちょうどいいのは、右斜め40度です。
(脇毛の場合は右斜め45度ね。)

まぁこだわりは、こんな所でしょうか。

>Hermitさん、こんばんは。

>>>> レポート提出した奴には画一的に点数を付ける気持ちも
>>>> わからなくない今日この頃を過ごしております
>>人間はこうして堕落していくんですね(笑)

付けたい気持ちはあるということですよ!(笑)
つけてませんって。まぁ、僕のレポートというのはB4の紙にただ博物館に行った
半券を貼り付けて、その半券の数で画一的に点数をつけるので、文章を
読む必要もないんで、楽なんですがね。

>>何だか婦人週刊誌かワイドショーの匂いが…(笑)
>>バカップルって実質的には、車中でキスしているような人達を指して言ってるんでしょうかね?
>>雰囲気はともあれ、内実はよく分かっていない私でした…

まぁ、半分うらやましいという嫉みも入っていたりしますが、
キスではなく、何か駅のホームで、べたべた抱き合っている奴や、
車内で彼女の手をいじくり回している奴らやら、熱中症にやられたかと
思うような奴急増中です。
まだキスならねちっこくなければ許せるんですが、
抱き合っていたりすると、このくそ暑いのに、、、とか思うし、
手をいじくり回している奴らには、イライラを感じるんですよね。(結構短気)

で、独自の世界を作っているバカップル自身はいいんだろうけど、
端にいる方としては甚だ迷惑だったりします。そう言った所が
むかついてきますね。

>>感染するなら近寄らないでおこう。まぁ、もともとゲームはしないんですが。
>>ただ、これは一回クリアすれば終わりというものじゃ無さそうですね

そうそう。最初からすごいですよ。主人公の名前も自分の名前に設定出来るし、
「ウケ」か「タチ」まで選択出来るというきめ細かさ。
その上、気に入った画像は写真館という所に保存出来るという念の入れよう。
マジでこのゲームおもしろいです。
って、こんなのに夢中になっていること、恥ずかしくてあまり言えないんですけどね。

>>HP 更新はしばらく無いものと思ったほうがいいかもしれないですね

そうですね。(笑)
まぁ、色々と書きかけてあるやつはあるんですが、なかなか完成しないのですよ。
早めにタスクを終了させたいんですが、何せこの暑さと忙しさ。
もう目が回ってきていますよ。
そろそろクラッシュしそうな予感。。。

>>哲学対談の方もどうぞお忘れなく

わかってますよ。マグリットもそろそろ終了っぽいので、次回はその
哲学対談の第1回について書こうと思います。
これなんですが、かなりムズイので、一気に読めるはずもなく、
しかも8個ぐらいありますよね。
だから、1回1回について感想を書きたいと思っております。

今日、この後書こうと思っていたんですが、どうもパワーが無くなってしまったので、
Hermitさんがドバッと投稿するだろう日曜日までに
第1回目を投稿しますね。
ほーむページでは、第1回はもう無くなったようなのですが、
コピペして保存してあるので、準備万端ですのよ。

>>>> 『三島由紀夫の美学講義」
>>こちらは詳しくはHPに書かれる予定とか?

いいえ全く。ただ、三島、ダビデ像の表紙。
と来れば、何か艶やかな青年彫刻の魅力を片っ端から説明してくれそうじゃないですか。
そう言うエロ心をくすぐられて購入したのですが、期待はずれでした。
ただ、美論としてはおもしろかったですよ。

>>買うならその前に部屋に積まれた本も処分したいですし…
>>そろそろ盆休みなのでこれまでご紹介のあった課題図書含め、
>>図書館から借りる本を考えておこうと思うのですが、改めてこれを推薦!

改めて、
塩野七生さんの『ローマ人の物語』と
加藤周一さんの『日本文学史序説』を勧めておきます。
特に時間があるのなら、加藤周一さんですかねー。情報量がハンパではないので、
一週間ぐらいかかると思います。(笑)
暇つぶしにはもってこいの本ですよ。ついでに日本文化の知識もつきます。

         
 

# 543  【ゲイでもクィアでもない男のセクシュアリティ考】 2002/08/07 00:26 返信する
From:HODGE 
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今日はアンディ・ウォホールの誕生日なんですね。google がウォホール・カラーになっています。
http://www.google.com/intl/ja/

それと、またまた素晴らしい文章を掲載しているサイトを見つけました。ご存知の方も多いと思いますが、晶文社(大好きな出版社!)の「晶文社アンダーグランウンド」で連載している豊福剛氏により「ゲイでもクィアでもない男のセクシュアリティ考」というものです。

題名どおりストレートの男性である豊福剛氏が、セクシュアリティについて述べているのですが、ゲイである僕も目からウロコっていう感じの内容です。
何より文章が分かりやすく好感が持てます。同性愛に言及していても、精神科医のような「動物実験の報告書」みたいな「書き方」は一切していません。
ゲイの人にもストレートの人にもお奨めです。ぜひ一読を。

[晶文社アンダーグランウンド]
http://www.shobunsha.co.jp/html/under-G/under.html

[晶文社]
http://www.shobunsha.co.jp/

あと、たまっていたBBSの過去ログをripleyにアップしました。ちょっと読み返してみたら、かなり言いたい放題書いているなあ、と苦笑しました。
これからも忌憚なき書き込み、激論をよろしくお願いします。


Male   ゲイ       リッキー・マーチン
 

# 541  【白紙委任状ですか?】 2002/08/05 00:35 返信する
From:HODGE 
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Hermitさん、こんにちは。

今はユルスナールの『黒の過程』を読んでます。もっと「静か」な作品だと思ったのですが、意外に波乱万丈で、異端キリスト教徒たちのろう城シーンやそれの破壊シーンなど、カタリ派の陥落を思わせる迫力があります。まあユルスナールなので同性愛がさりげなくエレガントに描かれています。

↓の白い投稿は「マグリット論」の一つの「解答」ですね。意表を突きますね。

でマグリットですが
>>言葉に直さなくても重力→落下の「常識」を前提にしていることは容易に推測できますしね。

ここらへんの話題ってアガサ・クリスティの『アクロイド』にも通じるような気がします。『これはパイプではない』でもそうですが、クリスティ/マグリット以降「信頼出来ない語り手(証拠)」という「前提」を意識せざるを得なくなったような。
なんていうのかな、マグリットの作品を<(いわゆる)絵画>として「見る」から問題なのであって、「特殊な」<文学>や<思想>、あるいは単に<メディア=メッセージ>とすれば、真理とは
「リンゴの手押し車(伝統的な営み・思考)をひっくり返すものすべて」By マクルーハン
(しかもこの言葉はクリスティ作品のポアロの言葉を援用している!!!)

そうそう、デュシャンと言えばBillyさんが勧めてくれた高階秀爾の『20世紀美術』の中で、デュシャンがモナリザに髭をつけた『彼女のお尻は熱い』は、モナリザの絵を単に破壊したよりもずっと深刻な問題を投げかけていると書いてありました。それは「美術史」全体の破壊になったからで、これまでも「見方」を覆してしまって、(イマージュの力によって成立していた)絵画そのものの「存立」さえも危うくしてしまったのだということです。

ケージもそんな感じですよね。偶然や易によって音楽が「作曲」されるなら「作曲家」という「存在」が危うくなるし、「時間芸術」である「音楽」自体もその意味(意義)が失われてしまうような。

>>マクルーハン
これはノルベルト・ボルツの『グーテンベルク銀河系の終焉』という本の影響なんです(この本は実は僕の「ネタ本」なのであまり教えたくなかったのですが(笑))
でもマクルーハンの本はみすずから出ているのですが、これが6000円もするので、なかなか買えないんです。それでちくま学芸文庫から出ているテレンス・ゴードンの『マクルーハン』を読んで眼からウロコという感じでした。

>ホット&クール
活字や写真は「高精細度」のメディア=ホット・メディアで「与える情報は多く受けてはほぼ何もしなくてよい」
逆にクールは「低精細度」で情報が少なく、そのため欠けているものを補うために受け手を働かせるものだということです。つまり「HIGH」と「LOW」です。

>>ソニア・ドローネ
そうだなあ、カンディンスキーよりも「システマティック」じゃないという感じかな。色自体が楽しいというか。大雑把で喩えで異論がある人もいるかもしれませんが、カンディンスキーはブーレーズみたくて、ドローネはメシアンみたいな感じ。

>> 脇毛フェチな僕としては、電車に乗っているだけで、
>> 目の保養になってしまいます
私は、あえて言うなら足かなぁ…

え、足? 腋毛? 僕は「胸板」だけど(笑)


Male   ゲイ       デイヴィッド・ベッカム
 


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