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Anthony Slide 著 "Gay and Lesbian Characters and Themes in Mystery Novels"  ─ 評論、ミステリー ─
McFarland
ISBN 0899507980


マーク・リチャード・ズブロ『黄昏のハイスクール』(創元推理文庫)の「訳者あとがき」で柿沼暎子さんが触れていたアンソニー・スライドの本を手に入れた。(僕はスカイ・ソフト経由、税抜き5466円で手に入れました。アマゾンのデーターベースにも入っているようです)
この本は柿沼さんも書いているように、映画評論家として有名なスライド氏が、クラシックから現代に至るまでの膨大なミステリの中からゲイのキャラクターやテーマを網羅した画期的な力作「研究書」である。

内容は、ジョセフ・ハンセンマイケル・ナーヴァサンドラ・スコペトーネなどのゲイやレズビアンを主役にした作品の紹介はもちろん、コーネル・ウールリッチパトリシア・ハイスミス等のゲイ作家の作品、さらにはアガサ・クリスティーレイモンド・チャンドラーローレンス・ブロックルース・レンデル等のミステリ界のビックネームの作品のゲイキャラクターにまで言及している。

本当に素晴らしい労作で、翻訳を通してでは分からなかったり無視された「深い意味」や、ある種の「謎」が「あ、そうだったのか!」と膝を打つように解ける。
確かにレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』で池上冬樹氏も「”清水チャンドラー”の弊害について」(宝島新書「ベスト・ミステリ論18」)という評論で指摘しているように "Queen" を”女王”、"queer" を”変わった人間”という訳で読んでいたら、『長いお別れ』のホモセクシャルな”フィーリング”を「感じる」ことはできないだろう。

古典的な有名作品では、アガサ・クリスティの『動く指』、『予告殺人』、『復讐の女神』、エラリー・クイーンの『最後の女』(エラリーが得意の衒学趣味でチャイコフスキーやヘンリー・ジェイムズ、オスカー・ワイルド、ランボー、アラビアのロレンスからソクラテス、シーザーまで言及する)、ダシール・ハメット『マルタの鷹』、ドロシー・セイヤーズ『不自然な死体』、リチャード・ハル『伯母殺し』等が挙げられている。(でもクリスティアナ・ブランドのセシル氏やマーガレット・ミラーの『狙った獣』には触れていない。残念)

またルース・レンデル、レジナンド・ヒル、P.D.ジェイムズ、ローレンス・ブロック等現代バリバリの人気作家にはゲイが登場するのは言うまでもないだろう。

そしてこの本のハイライトとも言える、最もページが割いてあるのは勿論ジョゼフ・ハンセンである。やはり彼のブラッドステッターシリーズが与えた影響は計り知れないものがある。登場するキャラクターや作品のテーマも格段に深く優れている。

もう一つの特徴である「テーマ」による分類も非常にユニークなアプローチである。「アクトアップ」から「エイズ」、「ヒーロー・ヒロインとしてのゲイ、レズビアン」、「殺されたゲイ」、「加害者、悪人としてのゲイ」、「ゲイの軍人」、「ゲイの警察官」等から「ゲイバー」、「スポーツとホモセクシャリティ」さらには「SM」や「THREE-WAY SEX SCENES」(僕のページのメインコンテンツみたい HAHAHA)なんていうテーマまである。まさにゲイ・ミステリーの百科全書とも言える目配りが利いた「研究書」だ。

翻訳紹介されていない作家や作品がかなりあることや、この本自体が1993年の出版以来増補改版されていないのは残念だが、今後の読書計画の指針にしたいと思う。
しかし、せっかく翻訳されても、例えばトニー・フェンリーの『首吊りクロゼット』(角川文庫)のように「心ない訳者のあとがき」で原作のストーリーとは無関係に憂鬱な気分にさせられるものもある。こちらのほうが憂慮されるべきなのかも知れない。

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ron williams "miami heatwave"  ─ 写真集 ─
BRUNO BMÜNDER
ISBN 3861871823







Aaron☆
だらだらと文章なんて書かないで、 ハートマークをたくさん書いて終わりにしたい気分だ。(でも、Mac だと特殊文字が化けるらしい)

この写真集はマイアミを舞台に、 Vista Video の人気モデルたちをフューチャーしたもので、ron williams 撮影、 BRUNO BMÜNDER から出ている。
値段は29.95ドル。いちおう水着や下着姿の写真ばかりなので堂々とアマゾンあたりで買える。

BRUNO BMÜNDER VERLAG はドイツの出版社で、ゲイ関係の写真集を多く出しているのでご存知の方も多いだろう("Bel Ami:Frisky Memories"、"Men of Kristen Bjorn"もここから出版されている)。

Vista Men の特徴は、若いスポーツマン、ハンサムでさわやかでマッチョ、といった感じだろうか。どのモデルもまったくナイスガイだ。
でも、この写真集の目当ては、なんと言ってもAaron(個人的趣味ですみません)。
ルックス、体、そして笑顔まで、もう・・・パーフェクト! こんなハンサムガイはなかなかいない!! Arron を見るだけで幸せな気分になれちゃう!!!

他に気に入ったモデルは黒髪、ラテン系(?)のMichaelかな。彼もいい感じ。

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